第21話

その行動は気持ちを読まれたことを物語っていて、麗はしまった、とゆっくり目を反らした。



一瞬目が合った功太は困ったような優しい笑みを浮かべていた。



麗はまた水槽に顔を戻ししばらく俯いていたが、ばつが悪くなったのか少し息を吐いて視線をあげた。



「……あたし、親がいないの。家族もいないの」



「それ、俺聞いてもいいの?」



確かについ数日前出会ったばかりの、どんな人かもよく知らない男の子に身の上話をするなんて自分でもおかしいと思った。



それでも、



「うん。功太だから」

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