第16話
ふと、机の上の写真立てと目が合い、麗はベッドから身を起こしそれを手に取った。
いつもは伏せてあるのだが、たまたま起こしてあったようだ。
そこに写っているのは幼い麗と肩を抱く両親。
どこにでもある、ありふれた幸せそうな家族写真。
しかし麗はこれを見ているとたまに頭痛に襲われる。
頭痛がするとき、決まって脳内に映し出される映像がある。
急ブレーキの音、母親らしき女性が自分の名を叫んで、覆い被さる温かい影…
麗はぎゅっと目を閉じた。
こんな恐ろしい記憶、出来たら思い出したくない。
麗は写真立てを一度抱きしめ、机に伏せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます