第10話
驚いた麗の瞳が丸くなる。
「だってさ、ずっと下向いてるから。気分悪くしたと思った」
麗は緩く首を横に振って、手元の缶に視線を落とした。
会話が途切れて、辺りはセミの声と波の音、それに軒先に吊るされた風鈴のちりんという音だけになった。
少々の沈黙の後、先にジュースを飲み終えた少年は缶を近くのごみ箱に捨てて再び麗の元へ戻ってきた。
「……あたしの人生、オレンジジュースみたい」
その言葉に少年は首を傾げる。
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