第39話

環の影が三瀧に重なるのと同時に環の体は触手に絡め取られ、そのままのスピードで天井に打ち付けられた。




ドゴォォオンッ!!!!




「が…ッ!」




環の体は天井を突き破り、上からパラパラと破片が落ちる。




そうかと思えば人間離れした力で今度は床に叩きつけられ、環の手にしていた木刀がカランと乾いた音を立てて三瀧の前に滑り込んできた。




「環ちゃん!!」




三瀧は咄嗟に身を起こし拳銃を構えようと腰に手をやるが、そこに何もないことに気づく。




(…そうだ…もう銃は……)




人質を撃ち怪我を負ったあの日から三瀧は拳銃を持つことを辞めたので丸腰だったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る