第21話

「先輩も一緒に食べましょうよ。僕も坂口先輩もそのつもりだったんですけど?」



「え?」



いつもぼっちだった彼女にとって、ランチの誘いは本当に久しぶりの事だった。



一緒にいても会話が続かないのは夢の周りにいる人なら知っていることだったから、誰も彼女を誘わないし夢もそれが当たり前だった。



「ということで、はい座って座って」



夢側の机をトントンと叩いて促す奈月に負け、夢は大人しく席に着いた。



自分の昼食を出しながら、坂口の前にコンビニの袋が置かれていることに気づく。



「あ、あの、木本さんだけだと思っていたので…すいません…」



「ああ、気にすることはない」



「そうですよ、僕が頼んだんですからあげませんよー?」



奈月が腕で坂口からお弁当箱をガードする。

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