第11話

(とっ、とりあえずまず謝らなきゃ!)



「ごっ、ごごごめんなさいっ…!」



どもりながら夢は三指をついて勢いよく頭を下げた。



慌ててそうしたが、本人の自覚なしにそれは土下座のポーズになってしまっていて、突然土下座された男性社員は驚いた。



「えっ!?ちょ…やめてくださいよ、頭上げてください!」



そう言われゆるゆると頭を上げると、さっき手放した高森から預かった書類を差し出された。



「す、すいません……」



顔を見れずにうつむいたまま書類を受け取り、会釈をする。



こっそり影から覗き見してた女がどんなやつか、せめて顔は見られないまま退散したかった。



が、声の主はそれを許してはくれなかった。

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