「ただいま、千夏」

「あれ、もう話は終わっちゃってよかったの？」

「うん、いいの」

聞いたら、香に怒られるかな。どうしようかな。聞いて嫌われるなら聞きたくない。

けど、知らないままなのも嫌な気分。

「えっ、なに？どうしたの？」

考え事をしていたのを忘れ香の方を見ようとしたら私の顔を覗き込んでいた香と目が合った。

「ん？僕になにか言いたいことでもありそうな顔をしてたから、千夏が話し出すのを待ってた」

私のことはお見通しみたい。

「あのね、香は誠さんと仲があんまりよくない理由、知りたいなって」

「､､､」

あれ、やっぱり聞いちゃダメだったのかも。失敗した､､､。

「や、やっぱりなんでもない！お、怒って、る？」

「怒ってないよ。なーんだ、そんなことか。そんなことならもっと早く聞いてよかったのにって思っただけ」

「えっ」

「僕にはなんでも聞けばいいよ。僕に対しての疑問なんて１つもいらない。全部聞けばいい」

「､､､うん。ありがとう」

本当に香は優しい。

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