第13話

演奏終了後、演奏を聞いていてくれた人からは拍手や笑みが溢れていた。


あぁ、なんて幸せなんだろう。


ここにいる多くの人にこの曲の良さが伝わっていたらいいなぁ。



「千夏、お疲れ様。とってもよかった」


「ありがとう、香」


「あ、そうだ屋上でね、フォトスポットがあるみたい。行ってみる?」


「うん!行こ!」



写真は形に残る思い出。私は写真も大好きだ。産みの両親との思い出は写真と動画がほとんど。だから私は写真などには多くの力があると思っている。



「いらっしゃいませ。お写真撮りますか?」


「はいっ、お願いしますっ」


「はい、かしこまりました」



あ、つい、香との思い出ができると思って喜びすぎちゃった。



「それじゃあ、撮りますね!3、2、1、カシャ。もう一枚、3、2、1、カシャ。はい撮れました。今プリントするので待っててくださいね」



待つこと数分



「できました。どうぞ」


「わぁ、ありがとうございます!」


「いえいえ、では楽しんでください」


「はい!ありがとうございます!」



もらった写真には香と私。そして背景は綺麗な夕日。何で素敵なんだろう。



「よかったね、千夏」


「うんっ、これで香との思い出が増えたよ!」


「笑顔な千夏、可愛い」


「も、もぅ、まだ学校なのに」


「あぁ、ほんとに可愛い」



そうして校内祭りは幕を閉じた。

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