第10話

「そんなもんなわけ?ほんとにバカなの?」



彼らを煽りながら彼らの攻撃を避ける香。



「そう言うテメェは避けてばっかじゃねぇか!テメェこそ弱えんじゃねぇか?」


「俺があんたら殴ったらこの学校が汚れちまうだろ?」


「ふっ、そんなの言ってんのは勝手だが、いつまで経っても勝負はつかねえぜ!」


「あっそ」



その乾いた香の声が発せられて何秒後だろうか。彼らが床に這いつくばり逃げようとしていたのは。きっと30秒くらいだろうか。もしかしたらもっと早いかもしれない。なんて考えていれば辺りでは拍手喝采だった。



「千夏。怖かったよね。もう大丈夫だよ」


「か、香」


「うん、大丈夫」



彼らは血だらけだったのに香には返り血が1つもない。手慣れてる証拠だと思う。香は私が危ない目に遭うといつもこうだから。



「それじゃあ、お昼だべよ?」


「うん。なに買ってきてくれたの?」


「えっとねぇ−−−」



そうして私たちは昼食を済ませた。

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