第8話

「ね、千夏。お腹すかない?」


「あ、うん。空いた」


「じゃあここで待ってて。すぐそこのお店で食べ物を買ってくる」


「うん,ありがとう」



そして香が,向かったのは、様々な軽食の売っているお店。そしてあれも出し物の1つだろう。香は、本当に優しい人。

だなんて考えていると。



「ね、そこの女の子」


「え、と」


「そんな怯えた顔しなくて大丈夫。俺たちとさ、祭り、まわらない?」


「えっと、あの。ごめんなさい」


「大丈夫大丈夫。怖いことしないって」



十分過ぎるほどに怖い。お願いだから早く違うところに行って。なんて心で強く願っても届くことはないようで、手首を掴まれてしまった。



「ほら、顔あげて」


「あ、の。ほんとに困ります。お願い、します。離してください、、、、」


「いやぁ、その少し泣いた顔もそそられるねぇ」



強引に連れていかれそうになった時だった。

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