俺のスキルがセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

第9話 幼馴染とダンジョン攻略

翌朝、アレンとマリアはエターナリア王国からの依頼を受け、地元の難易度の高いダンジョンに挑んでいた。

複雑に入り組んだ通路を慎重に進み、数々の罠を回避しながら最深部へとたどり着くと、そこにはダンジョンの主である『ナイトオブシャドウズ』が待ち構えていた。

「ここまで来た者がいるとは……愚か者め。貴様らの魂を喰らい、さらなる力を得てくれる……」

亡霊のような姿を持つ漆黒の騎士が静かに佇んでいた。

体からは闇が立ち上り、その重厚な鎧が絶望的な威圧感を放っている。

アレンとマリアは一瞬、気圧されるが、互いに視線を交わし決意を新たにする。

「アレン、行こう！この怪物を倒して、ダンジョンを浄化しましょう！」

「もちろんだ、マリア。俺たちなら、やれる！」

アレンは剣『エターナルハート』を抜き、マリアは剣『フルールオブライト』を構えた。

二人は同時に突撃し、『ナイトオブシャドウズ』に向かって攻撃を仕掛ける。

しかし、相手の剣技は驚異的な速さで、アレンの一撃をいとも簡単にかわし、マリアの攻撃を受け流した。

「くっ……なんて速さだ！」

アレンは息をのむが、すぐに体勢を立て直し、再度突撃する。

『ナイトオブシャドウズ』の剣がアレンに向けて振り下ろされるが、アレンは瞬時にそれを読み取り、間一髪で避ける。

「マリア、右から行け！俺が注意を引きつける！」

「分かった！」

アレンが前に立ちはだかり、『ナイトオブシャドウズ』と激しく剣を交わす間に、マリアは素早く右側に回り込み、隙を狙って一撃を放つ。

マリアの剣が『ナイトオブシャドウズ』の鎧に当たると、僅かに闇が揺らいだ。

「少しずつだが、ダメージは与えられてる……このまま一気に攻めるぞ！」

アレンは再び剣を振り下ろし、マリアもアレンと息を合わせながら次々と攻撃を繰り出していく。

しかし、『ナイトオブシャドウズ』はその度に俊敏に動き、反撃を仕掛けてくる。

『ナイトオブシャドウズ』の一撃がアレンの肩を掠め、闇の力が身体に染み込むような痛みが走る。

「くっ……！ ここで負けるわけにはいかない！」

アレンは肩の痛みに耐えながら、必死に攻撃を続ける。

アレンの覚悟を感じ取ったマリアも、全力でアレンをサポートし、互いの隙をカバーし合いながら闇の騎士に立ち向かっていた。

だが、『ナイトオブシャドウズ』の力は依然として強大で、二人の攻撃をことごとく無力化していく。

「アレン、どうしようっ！？」

マリアが一瞬、不安になったその時、アレンはふと、先日手に入れた新しいスキルを思い出した。

「いや、まだ終わっちゃいない……マリア、最後の一撃を俺に任せてくれ！」

「……分かった！アレン、信じてる！」

アレンは剣『エターナルハート』に純粋な愛のエネルギーを宿し、新スキル『ピュアブレイド』を発動させた。

剣が純白の光で包まれ、その光は闇を祓う浄化の力を持っていた。

「『ナイトオブシャドウズ』……これで終わりだ！」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッドドド！！！！！！！！

アレンは光り輝く剣を握りしめ、『ナイトオブシャドウズ』に向かって渾身の一撃を放った。

剣が敵の体に触れた瞬間、浄化の光が闇を包み込み、『ナイトオブシャドウズ』の亡霊のような姿が次第に崩れていく。

「ぐあああ……！馬鹿な……この私が……こんな力に……！」

絶望の叫び声を上げながら、『ナイトオブシャドウズ』は光に飲まれて消え去った。

闇に包まれていたダンジョンが一瞬にして浄化され、邪悪な力が完全に消え去ったのだった。

戦いが終わり、アレンとマリアはその場で立ち尽くしたが、次第に勝利の実感が湧き上がってきた。

二人は顔を見合わせ、飛び上がるように喜びながら、思わずハイタッチを交わした。

「やったね、アレン！本当に、すごいわ！」

「マリアもよく頑張ったな！お前がいなければ、ここまで戦い抜けなかった」

アレンは満足そうに微笑み、マリアもその言葉に少し照れながら笑った。

互いに信じ合い、共に戦ったことで得たこの勝利が、二人の絆をさらに深めた瞬間だった。