第8話 幼馴染、帰り道での告白
ゴブリン集落の攻略を無事に終え、アレンとマリアは静かな森の中を歩いていた。
澄んだ空気と柔らかな夕暮れの光が差し込み、二人の道を静かに照らしていた。
しばらく無言のまま歩いていたが、突然、マリアが口を開いた。
「ねえ、アレン……あなたのスキル『性行為』について、聞いてもいい?」
その質問にアレンは一瞬たじろいだ。
マリアの真剣な瞳がこちらを見つめており、どうやら本気で気になっているらしい。
しかし、スキルの内容が内容だけに、女性に話すには少し気が引けるものがあった。
「えっと、マリア……それはちょっと、話しにくいっていうか……」
アレンが照れたように目を逸らすと、マリアはにっこりと微笑んだ。
「ごめんね、変なことを聞いちゃって。でも、アレンがどんなスキルを持っているのか、気になっちゃってさ」
アレンはしばらく迷ったが、マリアにだけは真実を話してもいいかもしれないと考え、決心してスキルの内容を説明することにした。
「このスキルは、女性の愛情や、そういう気持ちに触れることで力を得られる……というものなんだ。たとえば、女性の体をちょっと触らせてもらったり、見せてもらったりすると、その……スキルが発動して、能力が得られる」
アレンが言い終えると、マリアの顔がみるみる赤く染まっていった。
口を開きかけたものの、一瞬言葉に詰まると、マリアは小さくうつむき、頬を赤く染めたままぽつりと言った。
「そ、そうなんだ……」
しばらく気まずい沈黙が続いたが、マリアは意を決したように顔を上げ、アレンに向き直った。
その表情には、恥じらいと何か決意のようなものが混じっていた。
「ね、アレン……私でよければ、ちょっと試してみない? 私の胸の谷間を見てみるってどうかしら?」
アレンはその言葉に驚愕し、思わず目を見開いた。
アレンの心臓がドキドキと大きな音を立て、言葉が出ないまま、ただマリアを見つめることしかできなかった。
「な、何を言ってるんだ、マリア!本気で言ってるのか?」
「うん……だって、アレンがそのスキルで困ってるなら、私が少しでも力になりたいって思うんだ。
アレンが戦うために必要な力なら……私も協力したい」
マリアの言葉には、アレンへの真っ直ぐな信頼と優しさが込められていた。
マリアの心の奥にある、幼馴染としての温かい気持ちと戦闘パートナーとしての信頼が、アレンの胸に響いた。
「……マリア、ありがとう。でも、それは……」
アレンはしばらく迷ったが、マリアの決意のこもった瞳を見て、気持ちが揺らぎ始めた。
アレンは自分のスキルが周りに誤解され、勇者パーティを追放される原因になったこともあって、このスキルに対して複雑な思いがあった。
それでも、マリアが自ら進んで協力したいと言ってくれている今、この提案を無下に断るのも失礼に思えた。
「本当に、いいのか?無理をしているんじゃないか?」
「ううん、私は本気よ。アレンのためになるなら、それでいいと思ってる」
マリアは静かに頷き、アレンにそっと近づいた。
マリアの頬は依然として赤いままだが、その瞳には一切の迷いがなかった。
マリアの真剣な眼差しに、アレンは少し照れながらも、心から感謝の気持ちを込めて微笑んだ。
「……ありがとう、マリア」
マリアは微笑みながら軽鎧の胸元の留め具を外し、薄ピンクのブラジャーが覗く胸の谷間をアレンの目の前に見せてきた。
マリアの胸の谷間は透き通るように美しく、ほんのり輝いているようだった。
アレンはその美しさにしばらく見惚れてしまっていた。
そして、アレンは新たなスキル、『ピュアブレイド』を獲得した。
これは、純粋な愛のエネルギーを剣に宿し、斬撃が浄化の力を持つことで、悪しきものを祓い清める効果を発揮する攻撃スキルだ。
アレンにとっては、初めて心からこのスキルに向き合うきっかけとなるひとときであり、マリアにとってもまた、アレンとの信頼がさらに深まる瞬間だった。
やがて夕暮れが森を包み込み、二人は再び歩き始めた。
これまで以上に強い絆で結ばれた二人は、エターナリア王国のために戦う決意を新たにしながら、次なる冒険に向けてゆっくりと帰路についた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます