第7話 幼馴染の共闘、ゴブリン集落への挑戦
その頃、アレンとマリアの二人は、エターナリア王国の山奥にあるゴブリンの集落にいた。
この場所は王国の人々にとって大きな脅威であり、数ヶ月に一度、集落から現れたゴブリンたちが近隣の村や街を襲撃していたのだ。
そのため、アレンとマリアの二人はこの危険な地域の攻略に乗り出すことにした。
「マリア、準備はいいか?」
アレンがそっと振り返り、幼馴染のマリア・グレイスに問いかける。
白と青の軽鎧を身に纏い、剣をしっかりと握りしめるマリアは少し緊張した様子で頷いた。
「うん、アレン。でも、私一人では少し不安かも……」
マリアはしっかり者だが、まだ戦闘経験が少ない。
だが、アレンはそんなマリアを見て微笑みながら答えた。
「大丈夫だ、マリア。俺がしっかりカバーするから。君の剣術の技術は十分にあるし、俺たちならうまくいくはずだ」
二人はお互いを信頼し合い、ゴブリンの集落があるとされる山奥の森へと足を踏み入れた。
道中は静寂に包まれていたが、森の奥へ進むにつれて奇妙な匂いが鼻を突き、気味の悪い鳴き声がかすかに聞こえてきた。
「ここがゴブリンの巣か……やつらの匂いは相変わらずだな」
アレンは剣『エターナルハート』を抜き、周囲を警戒しながら進んだ。
やがて目の前に、ゴブリンたちが集まっている小さな開けた空間が現れた。
彼らは20体ほどの数で、何やら獲物を分け合うように喧嘩を繰り広げている。
「アレン、見て……ゴブリンたちが集まってる」
「数は多いが、二人で力を合わせれば何とかなるだろう」
アレンは冷静にそう言うと、マリアに
アレンが前衛で攻撃を仕掛け、その間にマリアが隙を突いて攻撃を加えるというシンプルな戦法だが、二人の連携があれば十分に勝算がある。
アレンが先陣を切り、集落の中央に向かって突撃した。
鋭い剣技で最初のゴブリンを仕留め、続けざまに二体目、三体目と次々に倒していく。
「マリア、右側に一体いる!隙を見て攻撃を仕掛けろ!」
「分かった!」
マリアは一瞬の隙を見て素早く右側に回り込み、アレンがゴブリンの注意を引きつけている間に剣を振り下ろした。
ゴブリンは驚きで目を見開く間もなく、マリアの剣に貫かれた。
マリアは小さくガッツポーズをし、すぐに次の敵へと集中を切り替えた。
「うまくやったな、マリア!」
「アレンが指示してくれたおかげだよ!」
二人は次々とゴブリンたちを倒していき、気がつけば半数以上を討伐していた。
だが、残りのゴブリンたちは次第に怒りをあらわにし、集団で二人を囲むように迫ってきた。
「マリア、ここが正念場だ!俺が一気に攻めるから、その間に後ろの敵を頼む!」
「分かった、アレン!私も全力で行くよ!」
アレンは剣を振りかざし、残りのゴブリンたちに向けて突撃した。
剣を振り下ろすたびに光が舞い、ゴブリンたちは恐怖に震えながらも必死に応戦しようとする。
しかし、アレンの圧倒的な剣術の前に歯が立たず、次々に倒されていく。
一方、マリアはアレンの後ろで待機し、背後から襲いかかってくるゴブリンたちを相手に奮闘していた。
マリアの剣術はまだ未熟ではあったが、アレンの指示とその場に合わせた動きで補いながら、懸命に立ち回っていた。
『ブリリアントペタル!』
マリアがついに必殺技を発動し、マリアの剣『フルールオブライト』が美しい光を放った。
剣の一振りと共に舞い散る光の花びらが、周囲のゴブリンたちを包み込み、その場で消し去った。
その光景に一瞬見惚れたアレンは、すぐに最後の敵へと視線を戻し、残ったゴブリンたちを一気に討ち取った。
最後のゴブリンが倒れ、辺りに静寂が戻ると、二人は互いに微笑み合った。
緊張が解け、安堵の笑顔が浮かんだ。
「やったね、アレン!」
「お前のおかげだよ、マリア。あの必殺技、見事だった」
アレンは笑顔でマリアを称賛し、マリアも少し照れたように微笑んだ。
マリアにとって初めての本格的な戦闘であり、幼馴染であるアレンとの共闘によって得た自信が、今のマリアを輝かせていた。
「ありがとう、アレン。あなたと一緒に戦うと、不思議と力が湧いてくる気がするわ」
マリアの言葉に、アレンも満足そうに頷いた。
こうして二人は、エターナリア王国の人々を悩ませていたゴブリンの脅威を無事に取り除き、共に成長しながら次の冒険への一歩を踏み出すのだった。
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