俺のスキルがセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

第4話 幼馴染、剣士姫の提案

マリアの提案に、アレンは驚きのあまり目を見開いた。

マリアがこのスキルに対して嫌悪感を抱かないどころか、興味を持っているように見えたからだ。

「な、なんだって？マリア、冗談だろう？」

「冗談なんかじゃないよ。アレン、あなたは昔から私にとって大切な存在だった。それに、今でも信じてる。あなたが自分でどうしようもできないスキルや職業を抱えていても、それはあなたの本質を変えるものじゃないわ。むしろ、その力が本当に必要なものなら、私が戦闘パートナーとして協力することで活かせるんじゃないかって思うの」

アレンは信じられない思いでマリアを見つめた。

マリアの真剣な瞳からは、確固たる信念が伺えた。

「でも、マリア……。お前にまで迷惑をかけたくないんだ。俺のスキルのせいで仲間が離れていくのは、もう懲り懲りだから」

「大丈夫よ、アレン。むしろ楽しみにしてるくらいよ。それに……」

マリアは少し頬を赤らめ、ほんの少しの間だけ視線を逸らした後、アレンを見つめ直した。

「私はあなたがどれだけ困難を抱えていても、ずっと幼馴染としても、仲間としても、側にいたいの。

だから、私があなたの力を支えることで、勇者パーティの一員ではないけれど、別の形であなたと共に戦えるなら……それでいい」

アレンは言葉を失った。

マリアのその純粋な思いに心が動かされ、自分が再び誰かと共に戦う意欲を取り戻し始めたのを感じた。

「ありがとう、マリア。本当に、お前には救われたよ……」

アレンは心からの感謝を込めて微笑み、マリアの手を優しく握りしめた。

マリアもその手をしっかりと握り返し、頷いた。

そして二人は、かつての幼馴染として、また新たな戦闘パートナーとして共に戦い抜くことを誓い合い、森の中を並んで歩き始めた。

二人の絆が新たに生まれたこの場所から、彼らの冒険が再び始まろうとしていた。