第5話

そのあと、その男はすぐに家を出ていった。



その日から、何日も何日も、あの男は来て、母の声も1階まで聞こえ続けた。



男が帰った後の母の口癖があった。



「清水くん…」



甘く囁く母。清水とはあの男がこの家に初めて来た時から呼ばれていた名前。



私はまた、不快感を覚えていた。

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