時は流れて・・・
第35話
今は2年生の春になったばかりのこと。
「新しいクラスかぁ」
「私たち同じクラスだね、よかったよかった」
「ねー、それは本当によかった」
私は無事、咲と同じクラスになることができていた。
もちろん初めて話す人もいるクラスだけど、楽しくやっていければなと思っている。
「今日始業式で早く終わるけど,楓は
予定あるの?」
「咲は?デート?」
「うん、一応。楓は?彼氏いるでしょ?」
「うん、予定は入ってる」
そう。今日は深凪さんのご両親のお家にお邪魔する日。正直めちゃくちゃ緊張している。
ーーーーー
ということで、帰宅後。
「わ、私。大丈夫か、、、?」
「なに言ってるの、大丈夫でだよ。ほら、行くよ」
私は、袖と丈の長い白のワンピース、茶色のベルト、金のネックレス、白のショルダーバッグ、茶色と白のサンダルという格好で、いつもは着ないような洋服に着替えている。
深凪さんは、ラフな格好をしている。
正直、怖すぎる。
「さ、着いたよ」
深凪さんのお家は、お金持ちで、今深凪さんが働く会社の社長は深凪さんのお父さん。なので跡取りとして今頑張っているそうだ。
会ったことはない。ないからこその恐怖感というものがある。
お家の中に入れば、お出迎えしてくれた人が数人いた。この人たちは、深凪さんのご両親でもご兄弟でもないように見えた。
「おかえりなさいませ。」
「うん、ただいま」
「美也子{みやこ)様と日向{ひなた)様がお待ちです。」
「うん、通して」
「かしこまりました。」
数人いる中で話していたのは1人。リーダー的存在なのだろうか。そして誰も顔を上げはしない。深く深く、お辞儀をしたまま。
そしてやっと立ち上がったかと思っても、顔を見せることなく私たちを案内し始めた。
「逸れないようにね」
「うん」
そう言って、私は深凪さんの後ろを付いて行った。
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