第32話

少し暗くなってきた頃に家を出た。



お祭り会場につけば、たくさんの人や屋台があって煌びやかだった。



「すごい!」


「ね、どこから回ろうか」


「うーん。あ!かき氷がいい!」


「それじゃあ、買ってくるよ、何味がいい?」


「えっと、、、。レモン」


「わかった。ここにいてね」


「うん」



「はい」


「ありがとう!」



私はかき氷を受け取り、また2人で歩き出した。



「なにか食べ物買って花火が始まるまで待つ?」


「うん!そうしよう」



そうして、焼きそばやたこ焼き、お好み焼きや串焼き、いちご飴などを買い、花火が綺麗に見えるところへと移動した。


待つこと数分後。


ヒューーーーー


夜空に上がった花火に目を奪われていれば、綺麗な花が広がった。


バーンッ


「わっ、、、綺麗」



見惚れていると、斜め後ろに座っていた深凪さんが、私の腕を引っ張り、顔を合わせてきた。



その後は一瞬で、甘いキスを落とされた。



私は言葉を失い、何も言えなかったけれど、深凪さんの表情は柔らかくて、暖かくて、私はそれで満足し、また花火の方へと視線を戻した。

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