3ヶ月前の深凪さんと私

第17話

お葬式の日。私は一度も涙を流さなかった。


お母さんとお父さんの仕事仲間の人たちは確かに涙を流していた。お母さんとお父さんの両親はもうなくなっているから遺影を持っていることしかできなかったけれど。



そして私のことを冷たい目で見ていた。まぁ、それもそうなのかもしれない。自分たちにとっては大切な仕事仲間なのにその娘が一粒の涙すら流さないから、本当に人なのか、なんて思われていたんだろう。



「お嬢さん。君が楓ちゃんだね?」


式が終わると話しかけてきた男の人がいた。この人が深凪さん。



「、、、そうですけど、なんですか」


「俺は黒瀬深凪。これから君を俺の家で住まわせることになるから、よろしくね?」


「、、、面倒なことを押し付けられたんですね。すみません。、、、これからよろしくお願いします」


「うん。よろしくね」



そうして連れてこられた深凪さんの家。1人で住むには広く感じたのを覚えている。

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