第37話

するとそいつはいきなり頭を下げ始めた。



「す、すみ、すみませんでした!!!」


「あ?どしたぁ?」



腰を抜かしていた男がいきなり頭を下げるから嘲笑う男たち。


可哀想だな、お前。


なんて思うけど、助かる気はない。ゆずのこと拉致ったんだし。



「た、頼みます!!その子は連れて行っていいので!この通りです!見逃してください!お願いします!!」


「…もう遅いってわかんないの?」


「っ!!」


「おい、どうしたんだよ玉川」



そんな男たちの声は届かない玉川と呼ばれる男。



「すみませんでした!!良真さん!!」



その声は大きくなる一方。そして遂にその名前を聞けば、男2人は顔を見合わせていた。

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