第28話

そしてふたりきり


「ごめんね、莉里」


よくわからず黙って見つめていると

「崖から落として、ごめんね」


彼の手が頬に触れた。暖かいはずなのに、なんだか冷たく感じる。


「もう、いいよ、だって全部が全部りっくんのせいじゃないもんね」


「一生をかけて君を守るよ」


すると彼の銀髪と私の金髪が、見たこともないくらい綺麗な黒になる。


「な、なにこれ」


「約束が交わされたんだよ」


約束?りっくんが私を一生をかけてまもるということ?


「ねえ、りっくん、りっくんはまだ私を好きなの?」

先程までの柔らかな表情は消え真剣な物となる。


「そうだよ、好きだよ」


「そう」

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