第21話

「始め!」


そしていよいよ始まった。


真綾さんが先に攻撃してきた。 


彼女は炎だっけ。なんて思いながら彼女の攻撃が私のところに来るのを待った。


そして羅衣により炎の渦は簡単に消えてしまった。


おお!などといった歓声が辺りから聞こえた。


そしてやはり驚く真綾さん。もう1人はと言うと、予想通りだよ、なんて思っていそうな顔をしている。


そんなことを思っていれば次は赤髪の方の攻撃がこちらに来る。正確には羅衣へと。


彼は自然なものを操(あやつ)れるようで辺りに咲いていたバラを使ったようだった。


鋭い棘(とげ)たちは勢いよくこちらに向かってきた。


さっき守られてしまったので今度は私の番だろう。なんて思い。炎の結界を作って見せた。


結界の中ではもちろんふたり。


「羅衣、怒っているでしょう」


「えー、怒ってはないよ?」


「怒りに変わってきているでしょう」


そう。羅衣は初めの合図の前に彼に話に行ったからあまりいい気はしなかったのだろう。


「でも、りーちゃんがこうして僕のために作ってくれた結界もあるし、さっきの怒りはそこまでないよ?」


なんて言いながらにこやかな笑顔を見せた。


「いや、まだ怒ってるでしょ」


「バレた?」


なんて言いながら羅衣が笑って見せた。


「ちょっと待っててよ、今やり返すところなんだから」


なんで私が言うと羅衣が満足そうに笑顔を見せた。


バンッ


結界が弾ける音と共にバラも弾けていった。


さて、何で攻撃しようか、、、


ならこちらも花で勝負しよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る