始まり

第6話

昇降口に行くとさまざまな視線が向けられる


羅衣に見惚れる人や私を睨む人などさまざまである。



羅衣は漆黒のような短めの黒色の髪に青みが買った瞳を持つ。

きっと”かっこいい人”という部類だろう。


その隣を歩く私はというと肩までの長さのある金色の髪に赤い瞳。


金の髪はそこまで珍しくはないのだが赤い瞳というのは今までいたかいなかったかわからないくらいのもの。


そのため私は怯えられているようだ


そして、辺りでは女子たちの甲高い声や秘密話のように小さな声でコソコソと話す声などさまざまな声が私たちに届いてきた


そして靴を履き替えるとすぐに羅衣は先程までの暖かさは消え、冷たい瞳で辺りを見渡し一言放つのだ。


「黙れ」

本当に彼の声なのかと耳を疑(うたが)うほど低く冷たい声はあたりに響く


そして静まり返る


彼の声に怯えて静かになったんじゃない


彼の実力より下だから命令を聞かされた、ただそれだけのことなのだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る