この時代に生まれてしまった小説家、について

処方箋⑥～悪いのはテンプレではない、パイオニアを諦めることだ

　前回、テンプレに逃げて、自分の書きたいニッチを書けていないヤツをボロクソに言ったが、

　別に、テンプレが「悪」とは言っていない。

　そこは勘違いするなよ？

　間違っても、異世界転生や悪役令嬢や追放モノを書いている人や、読んでいる人を馬鹿にするなよ？

　他人の作品を馬鹿にするやつは、小学校の道徳からやり直して来い（なんなら自由帳くらいは買ってやるよ）。

　悪いのは、テンプレに頼るお前だ。

　もちろん、

　心の底からテンプレを書きたいって言うなら、

　全然良いよ？

　むしろ書きたいものを書けよ。

　前回の話の続きになるが、

　ベッカムヘアーをこよなく愛していて、

　ベッカムヘアーでパリコレを狙うなら、

　誰も止めないし、それで勝負しろよ。

　けど、一番アホなのは、モヒカンにしたいのに、ベッカムヘアーに逃げるやつだ。

　そいつは救いようがないアホだ。

　で、ここから、さらに次の話に進む。

　テンプレって、なに？

　そもそもだが、

　異世界転生とかって、誰かが最初に書いた「ニッチ」なんだよ。

　キリスト教みたいに、すでに在った「創造主」とかじゃねえよ。

　誰かが、異世界転生を書いて、それを信念をもって書き続けて、人気を得て、

　それで、

「ニッチ」から「テンプレ」に成ったんだよ。

　つまり、

　どんなテンプレにも、

　パイオニア（先駆者）がいるんだよ。

　ならさ、お前がそのパイオニアになろうと思わんの？

　自分のスタイルを押し殺して、流行に流されて、

　パイオニアに成れるの？

　あ、謙遜とか常識とか、今はそんなん要らないよ。

　この言葉に、以下のノイズを発するヤツは、この文章をこれ以上読まなくて良い。

「そんなの選ばれた天才だけだ～」とか

「実績を積んだやつだけの資格だろ～」とか

「成果のない素人がパイオニア目指すのは草」とか

　そういうノイズを訳知り顔で吐くやつは、

　全員、寝ぼけているからな？

　良い枕に買い替えて、早く寝ろ。

　さて、話を戻すが、

　自分の創りたいものを創る。

　その上で、

　どうやったら読まれるか？

　を研究すれば良い。

　これに尽きる。

　というか、それ以上に言うことはない。

　カクヨムで読まれやすい技術～

　とか、

　最速でPVと★をもらう方法～

　とか、

　書籍化されるまでのロードマップ～

　とか、

　アレ、鵜呑みにするなよ？

　引き出しの一つとして学んで、自分の成功のための「武器」のひとつとして利用するのは全然アリだが、

「鵜呑み」はやめとけ（もちろん、俺のこの文章も含まれる）。

　それを語っている人たちも、

　別に、歴史に残る大作を書いているわけじゃないからな？

　結局は、自分自身、を磨くしかないんだよ？

　成功法則のヒントは他人から学んで良いが、

　成功哲学のヒントは自分の中にしかないよ。

　ピカソの名言に、

「凡人はマネして、天才は盗むんだ」

　って言葉があるが、

　まさにそれだよ。

　自分のニッチを極めるための「材料」を他者から学ぶのは良いけど、

　自分のニッチを極めるための「狂気」は自分で積み上げるしかない。

　わかったか？

　そして、

　引き出しを増やした上で、

　無謀な、ニッチな、パイオニアを目指すんだ。

　それこそが、創作者の「最低条件」だよ。

　その条件をクリアせずに、

　何をテンプレに逃げているんだよ。ビビッてんなよ。

　お前が新たな「テンプレ」を作ってみろよ。

　鈴木貫太朗