第3話色欲の悪魔の力
私たちは禁忌とされている森の手前まで来ていた。
この数歩先から色欲の悪魔の気を遮断する結界が張られてるらしい。
私には小さい呪力を感知することは出来ない。
「よし、ここからだぞ!」
「あぁ、嫌な気配するってだけだから安心しておけ」
「分かったよ、頼りにしてるよお兄ちゃん!」
私は兄達を煽てた。
兄達が結界を通るのを見て、私も足を踏み入れて入った瞬間に何故長年女が入ることを禁忌としているのかを理解した。
(あぁ…なんか身体が火照ってきた)
「おい大丈夫か?少し頬が赤いぞ」
「え、うん。大丈夫だよ、最近寒くなってきたからね」
「あぁ風邪引くんじゃねぇぞ」
私は問題ないと兄達に言った。
(お兄ちゃん達には特に効果がないみたい。これくらいなら、なんとか耐えられるかな)
帰ったら直ぐに自慰行為しようと決心しながらも、周囲を見渡しながら私たちは洞窟へと向かった。
山道を数分歩いていると、私は違和感を感じた。
よく向けられる男達からの情欲の視線を感じた、服を着てる筈なのに全身を見られているような感覚であった。
流石の兄達も黙って何か合っても対応できるように臨戦態勢であった。
(兄達の視線じゃない…。まさか色欲の悪魔だったりして…。でも兄達が何も言わないってことは私の勘違いってことだよね)
また少し森を進み岩肌が出てきて洞窟らしき空洞の穴が見えた。
そこには至るところに呪符が貼られており、私たちの祖先が昔から管理していたと一目で分かった。
「着いたぞ!ここがそうだ」
長男が私に目的地に着いたことを話した。
「お兄ちゃん達の部屋のエロチラシみたいにお札貼られてるね…」
「おいクソ兄貴と俺を同じだと思うなよ?俺は姫香の写真だけだぞ?」
次男が兄と違うと言うが、もっと悪い気がするんだけど…。
「もう盗撮されるのは諦めたから、家族以外には見せないでね」
「当たり前だろ!妹の裸を見せたりするもんか!」
この男は私の下着をクラスの男子達に売った前科があるからな…。
「もう分かったよ、それでこの後どうするの?」
「年始の封印は、来る前に説明した通り呪符を持って唱えるだけだ」
「巡視するって言っても、札が燃えてないかの確認なんだよな。だから数えるだけ!」
「なんだ、意外と簡単なんだね!」
「あぁ、俺達で数えてるから、ここで待ってろ!」
「オッケー!」
私は兄達がお札の数を数えたり、状態が問題ないかの確認を少し離れた位置で見ていた。
(なんか、エッチな視線が凄く強く感じるんだよなぁ…本当に気のせいかな?)
そう考えてると突如、呪力の無い私でも感じられる程の呪力が洞窟から溢れてくるのを感じた。
「おい、札で封印の維持をするぞ」
「分かってる」
兄達は場数を踏んでいるのか冷静に封印の強化を行っていた。
洞窟の封印は外側と内側があり、兄達がしているのは外側、パパが年始にしているのが
内側なのだ。
兄達が集中して呪言を唱えているときに、私の身体に異変を感じた。
(なにこれ…、指で弄ってないのに凄く気持ちいい)
今までにない感覚に戸惑うが、日頃から自慰行為してるので容易に耐えられるものだった。
私が快感に耐えてると、洞窟から強烈な後光を放たれ思わず目を閉じた。
何事かと思い目を開けると、少し離れた位置にいた兄達が倒れていた。
私が様子を見に行こうとした時に、先ほどの快感とは比にならない快感が押し寄せてきた。
(触ってもいないのに何度も絶頂させられている…。これが色欲の悪魔の能力の一端なの。何も考えられなくなる…)
私は快感に身体が耐えられなくなっていたが、精神力だけで兄達を洞窟から引っ張った。
(お兄ちゃん達から前世で何度も嗅いだ男の自慰行為後の強い匂いがする。耐えられなかったみたいね)
私は鍛えた身体に感謝しながら兄二人を背負った。
何度も絶頂する度に脚腰がガクガクと震えて、落とし背負い直しを繰り返して森の結界の外まで逃げてた。
森の結界から出ると先ほどの強烈な快感が突然と無くなった。
(森の結界外まで出れば、色欲の悪魔は手を出せないのかな)
コートも雨で濡れたかのようであり、その下は見られたものじゃないだろうと思った。
あまりに味わったことのない快感で絶頂しすぎたのと、兄達を逃がせられたことの安心感でその場に倒れこむようにして眠ってしまった。
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