第2話禁忌の森
部屋に戻った私は、制服から部屋着に着替えるために脱いだ。
なんとなく身体を確認するために、背鏡の前に立った。
客観的に見ても、黒髪セミロングで紫の目で色白の美少女が鏡に写っていた、転生後の私である。転生前でも芸能界や身近の人間でもこれほどの美少女を見たことが無かった。
「まさに顔は、前世の私の理想だよなぁ」
そして体格は比較的小柄で華奢だが、剣道もしているため程よく鍛えられて引き締まった身体をしていた。
「胸が、ささやかな膨らみの狭間しかないのが欠点だよなぁ。あと、身長も155cmだからもう少し伸びて欲しいけど、身長伸びてないんだよなぁ…」
「だけど兄達も私に欲情するのが少し分かる気がするなぁ」
セクシーポーズを鏡の前で繰り出しながら、私は呟いていた。
圧倒的な美少女っぷりで学校の男達からモテているのは事実だけど、兄達から欲情されるのは想定外だった。
「はぁ…なんかムラムラしてきたし、お兄ちゃん達もパパに絞られてるから部屋に来れないでしょ」
男から転生したせいか性欲が周囲の女の子と比べて強いと思う。
私は慣れた手つきで素早く玩具等を準備して、下着も脱いで自慰行為をした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
剣道の全国大会を優勝して数カ月が経った。
相変らず兄達からのセクハラを受けるけど、充実した日々を送っていると感じていた。
今日は土曜日で学校も休みで、剣術の修行をして受験の勉強をしていた。
父が対魔人の仕事で悪魔祓いをしてるので、兄達と三人で家にいた。
「姫香って森の中に入ったことあるのか?」
長男が私に突然話してくる。
「え…ないけど?女が森に入ることを禁ずるみたいな慣例あったじゃん」
「今日は月1の巡視の日だし、父さんもいなから連れてってやるよ」
次男が私を連れていきたいようだった。
「知ってると思うけど呪力もないし、戦力にならないよ?」
悪魔は呪力がないと攻撃が当たらないので、私の攻撃は全て無意味なのだ。
兄たちは問題ないと言い、私も興味があったので行ってみることにした。
「そういえば年始に行う封印の仕方って知ってるか?」
長男が私に聞いてくる。
「知らないよ~でもパパが毎日のように呪符に呪力込めてるのは知ってるよ」
「その呪符って実は、誰でも使えるんだぜ!書いてあること読みあげれば封印が出来るっていう仕組みなんだよ」
「ただ、森の中で唱えても封印を維持は出来なくて、洞窟の中に入らないといけないんだ。俺達も未だ入ったことはないんだけどよ」
次男が兄の話を補足した。
「ふ~ん、まさか洞窟に入ったりしないよね?」
「姫香を連れてそこまで行かねぇよ。洞窟の手前までさ」
「おっけー!最近は寒いからコート持ってくるね」
私は部屋着のままだったので、上に羽織るコートを持ってきた。
コートを手に持ち玄関まで小走りで向かった。
「おまたせ~!え、何?」
兄達が私の胸を凝視してくるので、咄嗟に腕で胸を防いでしまった。
「いやぁ、顔はいいのに貧乳なのが勿体無くてよ」
「俺達巨乳好きだからさぁ…」
二人とも男の子であるのか、巨乳好きみたいだった。
私も前世は男だから納得は出来るが、この身体になると少しイラっとした。
「なら、一緒にお風呂入るの止めてよね」
二人は何かと理由をつけたりしてお風呂に入ってくる。
私の家は和風な作りではあるが、お風呂が温泉と思える程に大きい。
掃除が凄く面倒だけど、女に転生して風呂好きになったから掃除も苦ではなかった。
「あ、あれは偶然だよな?」
「そうだそうだ、俺達は尻も見に行っている」
この兄達そろそろ人としてダメかもしれない…。
「はぁ…もう行くよ!パパ帰ってくるかもしれないし」
「「あぁ」」
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