俺の世界は、何があるの？

第22話 「できないこと」との付き合い方

人には得意なこともあれば、苦手なことや「できないこと」もある。私も日々、「できないこと」に直面し、自分の限界を感じることが多い。特に周りと比べてしまうと、「なぜ自分だけがこれができないのか」「もっと普通にできたらどんなに楽だろう」と、自分を責めてしまうこともある。でも、そんな「できないこと」とどう向き合うかを考えることで、少しずつ生き方が変わってきたように感じる。

「できないこと」をどう捉えるか――それは、自己成長にとってとても大切なポイントだと思う。できないことを無理に克服しようとするのは大変なことだし、全ての欠点を埋める必要はないかもしれない。むしろ、できないことをそのまま受け入れ、自分にできることに集中することで、自分らしい生き方が見えてくるのではないかと感じている。

例えば、私には対人関係でスムーズに会話を続けるのが難しいと感じる時がある。以前は、その度に「もっと普通に話せるようになりたい」と自分を責めていた。けれども、会話が苦手でも、自分の気持ちを文章で表現することができる。それに気づいてからは、無理に人前で話そうとせず、自分の得意な表現方法に頼ることが増えた。すると少しずつ、コミュニケーションに対するプレッシャーが和らぎ、自分の強みも見えてきた。

「できないこと」とうまく付き合うためには、自分の「できること」をしっかりと見つめることが必要だと思う。全てを克服しようとせず、できない部分を他の方法で補いながら、自分の得意なことに力を注ぐ。すると、できない部分があることもそれほど気にならなくなるし、自分らしさを大切にしながら、自然体で生きられるようになる気がする。

また、できないことがあるからこそ、人の助けを借りる大切さにも気づけるようになった。他人の助けやサポートを素直に受け入れることで、自分の限界を超え、より良い成果を出せることもある。できないことを恥じるのではなく、むしろそれを通して他人と協力し合える関係を築けることは、人生において豊かさをもたらしてくれるのだと思う。

「できないこと」は、自分の個性を形づくる一部であり、それを受け入れることは自分を大切にすることでもある。完璧ではない自分を、そのまま肯定することで、人生に対する見方が少しずつ変わっていく。これからも「できないこと」を無理に変えようとするのではなく、その存在を認めながら自分にできることを大切にし、自然体で前に進んでいきたいと思う。