俺の世界は、何があるの？

第21話 「幸せとは何か」を考える

「幸せとは何か」という問いは、誰もが一度は考えるものだと思う。私もまた、自分の幸せについて考えることがよくある。周りを見渡すと、成功している人や、自分の夢を叶えて充実している人たちが目に入り、ふと自分はどれくらい幸せなのかと振り返ることがある。幸せとは一体どこにあるのか、何をしていれば幸せだと感じられるのか、その答えは意外と掴みどころがない。

昔は、「幸せ」とは大きな達成や成功によってもたらされるものだと思っていた。例えば、仕事で成功することや、多くの人に認められること、豊かな暮らしを手に入れることが幸せの条件だと信じていた。しかし、実際にそれを手に入れたとしても、果たして本当にそれが幸せなのだろうか？　その疑問が心の中に残る。

あるとき気づいたのは、幸せは特別な出来事や大きな目標を達成することだけでなく、日常の中に静かに存在しているものだということだ。ふとした瞬間に感じる安心感や、心地よい時間がもたらす小さな満足感――それらが積み重なって、幸せは生まれているのではないかと思うようになった。例えば、朝のコーヒーをゆっくり楽しむひとときや、好きな音楽を聴きながら過ごす時間が、心を温かくしてくれる。

また、誰かと心を通わせる時間も、かけがえのない幸せだと思う。特別な言葉が必要なわけではなく、ただ一緒に過ごすだけで気持ちが通じ合える関係や、そばにいてくれる安心感。それが、自分の心を穏やかにし、「幸せ」を感じさせてくれる大切な要素だと気づいた。

「幸せ」とは、何か特別なものを手に入れることではなく、むしろ自分の心が満たされる瞬間の積み重ねかもしれない。大きな夢や目標も素晴らしいけれど、日常の中にある小さな喜びを見逃さないことこそが、本当の幸せへの道なのではないかと感じる。

これからも「幸せとは何か」という問いに答えを求め続けるかもしれないが、今はその問いを急いで解決しようとは思わない。むしろ、日々の小さな幸せを大切にしながら、その一瞬一瞬を味わい、心に刻んでいきたい。幸せはきっと、自分のすぐそばにあって、気づいてくれるのを待っているものだから。