第11話 グループ・ワーク

 それから、僕は山本と行動するようになった。

 高校生になって、初めての友人だった。  


 彼には行動力があり、リーダーシップがあった。昼は屋上で食べたり、校庭で食べたり、普通に教室で食べたりした。そのたびに彼は僕に、友だちの失敗談や面白おかしい話をしてくれた。

 楽しかった。初めて自分が今、高校生だということに気づいたような感覚があった。

 もちろん、僕と彼だけで話していたわけではない。他にも四人、彼の仲間がいた。一人は前に携帯を使っていることをバラされた浅野だった。彼は少しぽっちゃりとした体型で、僕が入るときに「おう、よろしく」と優しくいった。


 それ以外のメンバーも、基本的には優しかったが、髪を染めていたりピアスを開けたりしていて、少しやんちゃそうな人たちだった。

 僕を新しく含めたそのメンバーは、帰りカラオケによったり、バッティングセンターに行ったりした。僕にとっては楽しかったが、少し疲れた。みんな体力ありすぎだろ、とも思った。でもこれが青春なのかもしれないと、嬉しくなった。

 急に山本と行動を共にするようになった僕に、クラスメイトはどうしてか警戒心を緩めたように話しかけてきた。普通の会話をできていることに、僕は安心した。

 やっとまともになれる、そう思った。

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