第2話 素直に向き合い始める
いつしか凛子は宇宙に、依存している自分を、感じ始めていて、今の自分を嫌いになっていた。
一体…凛子は何のために…
星夜と離婚したのだろう…。
改めて原点に返って、しっかり落ち着いて、考えてみようと思ったのだった。
相変わらず凛子の家の中には、ふてぶてしい妹が居座ってはいる。
はぁ~。この子を
なんとかしないとなぁ~。
そう思ってる矢先に…どうやら甥っ子が病気になって、ママに恋しくなっているみたいで、急遽妹は、自分の家に帰ってくれる事となった。
―やっと…解放されるー
それもつかの間…今度は凛子の毒母が、今まで夫が居たことで、私を独り占め出来なかったと…ここまでの怨念を抱えていて、恐ろしい執着心を
燃やし始めていた。
はぁ~。また一難去ってまた一難だわ…。
その日から毒母の異常な管理と言うべき生活が、始まったのだ…。
毒母は今まで耐え忍んで来た
思いのたけを、毎日毎日…
凛子に、ぶつけてくるようになった。
元々…
この毒母から逃れたくて、星夜と結婚したのも事実…。
でも…
この毒母とちゃんと向き合って、やって行かないと…誰と一緒になっても、凛子が本当に安らげる人生は、手に入らないと思ったのだ。
だから凛子は、離婚という決断をしたのも、そのひとつでもあった。
少しずつ…凛子の中で心の整理整頓が、出来始めて心が冷静に、なれ始めて来た。
そんなある日…宇宙から
凛子にデートの誘いがあった。
『少し…遠出してみない?』
凛子は宇宙に
『うん。行こう!』と返事を書いた。
今日は宇宙と初デートの日だ。外はすっかり冬モードで、風もとっても冷たい…。
待ち合わせの場所に着いたら…宇宙からlineが来た…。
『凛ちゃんは
3号車の乗り場から乗ってね。』
凛子は電車の3号車の所から乗った。でも、宇宙の姿は見えない…。凛子は不安になって宇宙にlineをした。
『宇宙~。どこ?』
『この電車で合ってるよね?』
すると、宇宙からlineが来て、
『うん。合ってるよ』
『目立ちたくないから
別々の車輌に乗って行こう』
なんかスタートから、宇宙の機嫌が悪そう…。凛子はなんか不安になりながら、今はこの外の景色を見ながら、ちょっと冷たい風を感じながら、電車の旅を、楽しもうと思った。
目的地に着いて、宇宙と合流したのだが…やはり宇宙がよそよそしい…。お互い隣同士ではなく、縦に少し離れた感じで歩いて行った。
お腹が空いたので、喫茶店で食事でもしようって事になって、お店の中に入って、やっと向かい合わせで、顔を見て話す事が出来たので、凛子は嬉しくて、宇宙に話しかけた。
しかし宇宙は…厳しい顔つきをして、
『静かにして!』と
強く凛子に注意をしたのだった。
実はこの遠出のデートをする前に、宇宙と喧嘩になった事が、あったのだった。
それで今回はこの遠出のデートはやめた方がいいと思うと、凛子が言ったにもかかわらず、宇宙がいや、行く!と
言い張ったので、決行することになったのだが…。
凛子の思惑の通り…宇宙は不機嫌のままで、今にも帰りたい!と叫びそうな心の声を凛子は感じていたのだ。
そしてその後も…帰りの電車も別々で、宇宙が途中下車をしてお城を見て帰ろうって
言うのでそうすると…。
宇宙が…
『あぁ~もう無理…』
『帰りたい…』って言い出したので…そこでお互いに別行動をする事にして、宇宙はその場から帰って行った。
凛子は一人…歩きながら涙がどんどん溢れて来て、
悲しくて…
寂しくて…
たまらない気持ちでいっぱいだった。
こんな気持ちでは家に帰りたくないので、ファミレスで時間をつぶしていた。
少し気持ちが落ち着いてきたら、どんどん腹が立ってきて、宇宙にいっぱい長文を
打ちまくって送った。
それを読んだ宇宙が…
『今どこ?〇公園まで来て
ちょっと話をしよう。』
とlineが来たのでお店を出た。
凛子は〇公園に着くと…宇宙がベンチに座っていた。
凛子は泣きながら宇宙の傍に行った。
宇宙が泣いている凛子を見て、
『ごめん…僕、勝手過ぎたよね…』
―凛子はまだ泣いている―
宇宙は困っていた…今まで凛子の涙を、見たことがなかったので…かなり傷つけてしまった事を反省していた。
『凛ちゃん…本当にごめんね…。』
『僕ね、気持ちにゆとりがないと…自分の事しか考えられなくなるの。』
『あとね、
まだ凛ちゃんとのこの関係の
距離感がよくわからなくて…
戸惑ってるのはあるんだ…。』
凛子は泣きながら…
宇宙の真意を確認していた。
そうかぁ…そういう事なのね…宇宙なりに葛藤してるのね…。
確かにひどい事言われたり
態度されたりして傷ついたけど…。
でもこうして宇宙は、また
会いに来てくれた。
その思いにはお礼を
言わないと…と凛子は思った。
涙目の涙をぬぐいながら、勇気を出して凛子は宇宙に…
『これからはそういう
葛藤している気持ちを
良かったら話して欲しい…。』
『一緒に考えて行きたいの…。』
『今夜は来てくれて
ありがとう…。』と
かすれた小さな声で、凛子は素直な気持ちを、宇宙に伝えたのだった。
宇宙は…
『なるべく努力はする』
とハッキリした声で言ってくれた。
ふたりで握手をして
『仲直りだね~』って笑いあったのだった。
凛子は、とりあえず仲直り出来たのでほっとした。
一週間ぐらいは、まぁまぁ穏やかな2人で、居られたのだが…またもや…宇宙の負の感情が…宇宙自身をむしばむ
かのように、闇の帝王要素を
引き出し始めていたのだ。
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