第15話 奴隷調教タイムッ!!




   ◇◇◇



 ――深淵迷宮(アビスダンジョン) “拠点”




「ぅううっ……。あ、明るいよ……ルシ君……」



 モジモジとバスタオルの裾を気にしているのは俺の奴隷となったレティアノール。


 流石はドワーフの王、ドリアード。


 完璧な“拠点”……というより“一軒家”。

 何より素晴らしいのは……、天井や壁に幻影魔法を施しているこの露天檜風呂だ!! 


 俺の『リクエスト』にもしっかりと応えてくれているらしく、あっちの大きいサイズの全身鏡は“特注のガラス”が張られていた。



 だが……、


「ふっ、セシリアの風呂が楽しみだ……」


 などと言っている場合ではなぁあいっ!!



「ル、ルシ君……」



 目の前にはタオル一枚の奴隷がいるのだ!!

 時間経過ははっきりとわかってなかったが、風呂場が“昼”だから、丸一日が経過したくらいだろう……。


 やっと一息つけるのだ。


 【勇者】を屠ってしまってからというもの……、常にセシリアやクソ賢者、衛兵共に監視され、深淵(アビス)に来てからは戦闘続き。ノールとの戦闘では瀕死だったんだ。


 そ、そんなの……、たかぶってるに決まってるだろ!? 


 【錬金術師】(仮)の資料? 先程の戦闘の反省? 初弟子(セシリア)への指南?


 ふざけるな。俺のプロポーズを断りトンズラした女に瀕死に追い込まれたんだ。



 “きっちりと”上下関係をわからせてやる。



 もう俺の奴隷になったんだと調教してやるのだ!!

 



「レティアノール……。タオルが邪魔だ……」



 ポツリと名前を呼ぶとうるうるの銀眼がこちらを向く。盛大に赤面しながらプルンッとした唇を噛み締めるレティアノール……。



「ぁっ。これ“命令”だから」


「んっんっ!!」


 俺の言葉によって、レティアノールは少し苦痛に顔を歪ませて胸を押さえる。“命令”というワードがレティアノールを縛る鎖となるのだが……、



「……俺はノールとの戦いでほぼ全ての“貯蓄”を使ったんだ。魔力を借り受ける練習も必要だろ? 俺とお前の魔力を繋げるのは最優先事項なんだよ……」



 もっともな発言も必要だろう。

 それにこれは事実でもある……。


 レティアノールはハッとしたように赤面しながら申し訳なさそうな表情を浮かべると、タオルに手をかける。


 恥ずかしいのか、ゆっくりと露わになっていく素肌。



 パサッ……



 久しぶりのレティアノールの裸体だ。


 両手で大事なところを隠しているとはいえ、それがまたいい感じの羞恥心を感じさせる。


 キメの細かい白い肌に胸元の奴隷紋。

 相変わらずの脱いだらそこそこある美乳。

 キュッと締まったくびれには縦長のおへそ。



 ゴクッ……



「ふぅ、ふぅ……ふぅ……」



 しばらく呼吸は忘れていたらしい。

 鼻息がこんなに荒くなってるなんて童貞っぽいな……。



 だが……、



 ――ルシ君……。だぁい好き……。



 340年くらい前の一幕がフラッシュバックするのだから仕方がない。ポロポロと涙を流しながら苦痛と快楽の狭間を彷徨っていた“初体験中”のレティアノールの恍惚とした表情など忘れられるはずがないのだ……。



「は、恥ずかしいよぉ……」


「別に初めてってわけじゃないだろ? さっさと後ろを向け。腰の印からしか繋げられないだろ?」


「……で、でも……、明るい……」


「……契約を破棄するのか?」


「ち、違うっ! ル、ルシ君の奴隷のままがいい!」



 レティアノールがクルリと背中を向ける。

 長い白髪の間から華奢な背中。腰に刻まれているタトゥーのような奴隷紋はレティアノールが俺のモノという証。


 ……正直、どういうつもりで奴隷であることを懇願するのかはわからないが、たくさんの男を経験してもやはり俺が1番だった……とか、そんな感じなのだろう。


 かなりふざけてはいるが……、今は……いや、これからはこのレティアノールが俺のモノなのだ。



 スッ……



 俺は震える手で細い腰に触れる。

 「んっ……」小さく吐息を漏らしたレティアノールは、耳まで赤くしている。


 綺麗なうなじにプリンッとしたお尻。



(…………も、もうエロいことしてもいい?)



 い、いや!! まだダメだ!!

 とりあえず、魔力回路を繋ぐ!! 


 これは“禁忌の魔術”。


 存在は知っていたが複雑な術式のため正確には把握していない。魔髄液で描いたのは俺だ。


 ちゃんと見本通りに描いた。


 だが、レティアノールが嘘をついていても実際のところは把握しきれないのだ。俺が記憶している他の2種類は術式は本物だし、手を加えていることはありえない。


 ……これからだ。これからレティアノールが本当に俺を受け入れているのかを検証する。



「《解析(アナリシス)》……」



 ズズッ……



 誤魔化せないように透過させれば、ムラムラも少しは収まるってもんだ。



 ……俺はクズだが、ドクズではない。



 心の底から嫌がっている女を犯すようなド畜生に身を落とすようなことがあれば、ノアの連中に顔向けできない。



 実際に“やる”ために、この検証は先にすべきなのだ。



 ポワァア……



 俺はゆっくりと手に魔力を集めた。

 

 俺の魔力を拒否されれば、レティアノールはクロ。すんなりと受け入れれば、レティアノールはシロ。



 ――レティはルシアを助けに来ただけだよ?



 この結果次第で再会からの言葉を判断する。

 本当に受け入れているのであれば、レティアノールは……本当に俺のためにこんな場所まで来たってことだ。



 ズズズッ……


 

 腰の奴隷紋に俺の魔力が流れ……、



 ポワァッ……



 全てが繋がり淡く発光する。



 ビクッ!!



「んぅふっ!! ぁっ……ぁああっ!! あっつっ……ぃいっ!! んっんああっ!! ぁっ、ぁっあっ! ル、ルシくんっ……!!」



 レティアノールは身体を痙攣させて地面に両手をついた。



 ゾワゾワッ!!



 俺の身体の中にも“それ”が入ってくる。

 レティアノールの一部。腹の奥の奥。

 魔力生成の丹田(たんでん)……。


 感じたことのない熱と高揚感……。

 身体に行き渡る全能感と抑えきれない快感……。



「ハァアッ……!!」



 俺も軽く息を漏らす。


 レティアノールと俺では“感じ方”が違うのだろうが、“高位の魔術師”と“高位の理解者”……。体内を掻き乱される感覚は新鮮で意識が飛びそうになるのはお互い様……なのか……?



「ぁあっ! ルシ君! ルシ君!! ぁあっあっ! ダメッ……エェエッ!!」



 ズズズッ……



 レティアノールの魔力を吸っている。

 俺がレティアノールの魔力を奪っている。


 自分の体内構造を全て把握している俺は“ポケット”にレティアノールの魔力を……。何百年とかけて拡張した俺の魔力庫に蓄積させていくが……、


「あっ、あっぁあっ! 壊れちゃうっ! こ、こんなのっ!! 初めてっぇ!! ぁっ、ああっ、ァアッッ!!」


 レティアノールの身体からは魔力がズンズンと消耗していく。



 スッ……



 腰から手を離せば……、



 ピクビクビクッ!!!!


 

 レティアノールは激しく身体を痙攣させる。

 手を離した俺は《解析(アナリシス)》を解除。



 ビクビクッビクッ……!!



「ぁっ、ぁぁあッ……!! ィッ……!! はぁっぁっ! はぁあっあっああッ!!」



 目の前には全裸のレティアノールが悶えている。床に手をついて恥ずかしげもなく尻を突き出し、小刻みに痙攣して喘いでいるレティアノールがいるのだ。



(…………シロだな)



 身体に満ちている魔力を自覚して結論を出す。



「レティアノール……。どうして欲しい?」



 俺は問いかける。命令なんかではなく、『奴隷』に判断を委ねる。



「はぁ、はぁ、はぁ……。ルシ君……。むちゃくちゃにして……」

 


 ヨダレを垂らして恍惚としているレティアノールに我慢できるほど、俺の理性は頑丈ではない。




 ヌプッ……




「ぁあっあっ!!!!」



 ……この後、めちゃくちゃ抱いたのはいうまでもないだろう。

 











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