第4話 歴史ファンタジー小説を書こう!
作品の着想を得たら、次にすることは何でしょうか?
プロット? キャラクター造り?
いえいえ、どちらもまだ手を付けるのは早いです。
もっと作品のイメージを膨らませて、どういう世界観でストーリーを構築していくのかを考えなくてはいけません。
要は、妄想力が必要になります。
大丈夫ですね?
このカクヨムに、「妄想」とか言ってる私のことを「変態」扱いする人は、まさかいないでしょう。
みんな妄想族だもんね?!((o(´∀`)o))嬉♪
この段階では、とにかく頭をからっぽにして、インプットを増やします。
そのうち、脳に溜まった情報の中から、ぴーんとくるものを選んでいって、徐々におぼろげながら作品の輪郭が定まってくるのです。
今回は、鬼姫と源頼光の鬼退治、というキーワードまでが出来上がっています。
そこから、歴史ファンタジーにするのが作品に合っていそうだ、となります。
まぁ、そうですよね。そもそも過去に実在した源頼光を使おうってんだから、歴史ファンタジーになりますわな。
ファンタジーは、コンテストの要項にちゃんと書いてありますからね!
ファンタジーのない作品は、選考対象外になりますわよ!(たぶん)
まぁ、ファンタジーという定義をどう見るか、ということについては別の論争が始まってしまうので、ここでは省略しますが、「魔法」がないから私の作品はファンタジーじゃない、と嘆くのは早計です。
話を戻します。
まず私は、源頼光と彼の配下である四天王たちについての情報を調べました。
まぁ、この段階ではまだWikipediaレベルで充分です。Wikipedia舐めちゃあかんけどね。
彼らについての情報は、学生時代にも調べているため、頭に下地が出来ています。こういうのは楽ですよね~。
源頼光がいつの時代の人が御存知でしょうか?
平安時代(中期)に生きていた人物です。
今回の話は、源頼光が鬼退治をした後の話で、頼光の子孫をヒーローにするから、自然と時代は平安時代(後期)くらいかな、とイメージ作ることが出来ました。
まぁ、この変は適当です。あとでいくらでも改編できますから。ファンタジーだもん!(´∀`*)
ただ、細かな社会情勢や生活環境をイメージするのに、平安時代(後期)を参考にする、と決めておくことが後々重要になってきます。
小説を書く上で、作品の舞台となる時代背景や文化などをしっかり調べて決めておくことは必須です。
特に今回のコンテストは、【中華】と【和風】と舞台を具体的に指定されています。これは、作品を読んだ時に【中華】の文化、【和風】の文化をしっかり書けているかを見られるよ、ということです。中華なのか和風なのか曖昧な世界観もマイナスになるんじゃないかなぁと個人的には捉えています。
まさか欧州の世界観をぶつけてくる人はいないと思いますが💦
アラビアン世界のような中東アジアや韓国などは、広い意味でのアジアンではありますが、中華でも和風でもないので、NGだと思います。
世界観の文化を描写するには、最低でも以下のことは調べる必要があります。
・誰が支配していたのか? 身分、階級制度など。
・どういう国家体制だったのか?
・風土、気候は?
・主食は? 食事は1日何回? どんなものを食べていた?
・トイレは? お風呂は?
・灯りには何を使っていた? 電気はある?
・どんな服装をしていた?
・どんな家に住んでいた?
・文化を象徴するような遊び、娯楽について。
・武器の種類について。火薬は使われていたか?
・結婚の価値観について。
うーん、他にもあると思うけど、書きながら疑問点が出たら調べるスタンスでいいと思います。
上記が分かってくると、大体その世界観が頭に浮かんできます。
すると、じゃあこれはどうだろう?と自然に疑問が浮かんでくるようになります。
そうなると、どんどん世界観がリアルになっていきますね^^
今回私が書こうとしたのは平安時代です。
上記のことについては、もちろん調べましたが、元々平安時代についての知識はあるので、あまり困りませんでした。
そもそも日本人ですから、外国である中華の文化を書くよりは、遥かに馴染みがあるため、書きやすいし、読者としても分かりやすい。得ですよねw
ただ、調べたとおりに世界観を構築する必要はありません。
だって、ファンタジーですから^^
むしろ、まんま世界設定を使ってしまっては、オリジナルファンタジー要素を感じられなくなってしまいます(;^ω^)
そこは過分に遊びがあっていいと思うのです。それがファンタジーです✨
例えば、今回私が書いた『鬼姫』では、源頼光が鬼を退治した後の世界で、ひの神の血を引き継ぐ神子「天子」様が治める大倭国、という世界設定を創りました。
日本人の方なら常識だと思いますが、天皇様のことですよね。
ただし今作では、「天皇」「帝」という言葉は、封印しました。何故なら、これはファンタジーだから。歴史小説と歴史ファンタジーは別物です。
私は、私だけのオリジナル世界観で雅な和風のファンタジー世界を構築しなければいけないのです。
「天皇」「帝」という言葉は、それだけで読者に現実世界を意識させてしまい、ファンタジーの醍醐味を感じられないかなと思いました(※場合によると思います)。
「大倭国」や「天子」という言葉は、見ただけで日本古代にあったヤマト王朝や天皇様を読者に印象付けることができます。その上で、オリジナル性も(若干w)感じられて、条件はクリアできる、というわけです。せこいですね~w
本当なら、もっと深い和風オリジナル世界観を構築できると最高なのでしょうけども、私には時間がありませんでした。さっさとプロットを作ってもう書き始めなければ締め切りに間に合いません。
更に言えば、今回のコンテストで重要視されるのは「ヒロイン」「ときめき」「ドラマ」であって、オリジナル世界観に力を入れた作品は要求されていないのです。
なので個人的には、これくらい「おっ、ちゃんと考えようとしているんだな」と選考者に印象付けられる程度の世界観構築でいいと判断しました(笑)。
捨てるとこは捨てます! 時間がないから!ww
そのために、歴史上に実在する人物を使ったり、実際にあった史実を元にすることは、時間のない執筆を迫られている時に有効です。だって、基盤があるんだもん!
リアリティも得られるし、もうそれを使わない手はないでしょう。
そして、桃太郎に登場する「鬼ヶ島」は、「鬼雅島」へとすり替えましたw
一見ギャグみたいですけど「雅」という文字が入っているので、ぱっと見た時に「雅」さを読者に与えられると思ったからです。
え? 感じない? それはもう漢字の勉強から出直してきなさい!( º言º )笑
とあるユーザ様からコメントで「大江山じゃないんですね」というお声を頂きました。さすがよくご存じですね。
だって、源頼光の鬼退治は、鬼ヶ島ではなく大江山だから。
では何故私が「大江山」ではなく「鬼ヶ島」をとったのかというと、これにはちゃんと理由があります。
山では大倭国と地続きで、生き残っていた鬼の一族が長年暮らしている、という設定が破綻するからです。
これは生物のお勉強になるのですが、地理的隔離という言葉があります。
高校生以上の方ならご存知かな? これは生き物が進化していく要因の一つと考えられており、離島のように隔離された地域で生活するようになった生物が、もとの種と異なる進化経路をたどることを指し示しています。
例えば、 ガラパゴス島なんかが有名ですね。ドラ〇もんの映画の『のび太の大魔境』に登場するバウワンコ国とかね。外界と隔絶されている、ということが条件になります。
つまり大倭国と地続きである大江山では、外界と隔絶されているとは言えず、鬼たちの楽園が築けない、となるのです。
でも、ファンタジーなら、何とでも設定できるんじゃないの?
……という声が聞こえてきそうですね。
いくらファンタジーでも、何でもありというわけではないと私は思っています。
最低限の常識の上に加味されるからこそ、ファンタジーが輝くのです。
まぁ、大江山が実は空飛ぶ山で大倭国とは地続きになっていない、ということならありかもしれませんけど(;'∀')
それに大江山には、別の使い道がありました(別の話で書きます)。
あとは、平安京がどうやって出来たのか、という成り立ちから時代背景などを探り、平安時代の天皇一覧や実在した人物名一覧、実際に起きた事件に片っ端から目を通して、面白そうだと思う人物や事件を幾つかピックアップし、それらをエピソードとして盛り込むことを考えました。
こうして、その時代についての情報をたくさんインプットすることで、リアルな世界を頭に思い浮かべることが出来ます。それは、生き生きとしたストーリーを書く上で欠かせないものだと私は思っています。
元にするものが実際にいた人物や史実なのですから、物語にリアリティも厚みも生まれます。ゆっくりストーリーやキャラクターを練る時間がない時は特に有効ですね。スーパーでお惣菜を買ってきて夕飯を済ませるようなものです(ズルイとか言わないそこw)。
こう考えると、歴史ファンタジーって、結構お得感満載じゃないですか?
だって、「事実は小説よりも奇なり」って言うでしょう?
これでストーリーが面白くならないわけがない!
具体的にどうストーリーに組み込んだのか、ファンタジー要素はどうつくっていったのか、などの詳細については、また別の話でお話します。
いかがでしょうか?
皆様のご見解&ご意見を参考にコメント頂けましたら、大変嬉しいです(*ᴗˬᴗ)
最後に本編へのリンクを以下に貼り付けておきます。
📖『鬼姫は月夜に恋ふ』(本編)
⇒https://kakuyomu.jp/works/16818093084547729539
ご興味があれば、お読み頂けると幸いです。
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