第7話


──────ある日の昼下がり。


「麗沙。」

「はい。」


ソファでコーヒーを飲む彼女の後ろに回って包み込んだ…。


「…ちゃんと俺だけか?」


僕が不安げに聞くと、


「大丈夫ですよ。あなただけですよ。」と返してくれた。


「…ごめん。」

「溜めないでください。辛くなる前に言ってください。」

「…止まんなくなる。」

「…いいですよ?私、流星さんなら。」


「意味わかってんのか?」

「私、何年この界隈にいると思ってるんですか?」

「…煽ってんの?」

「…だとしたら?」


思わず、彼女の頬を叩いてしまった。


「……。」

「私だからですよね?」


彼女は怯むこともなければ表情一つ変えなかった。

直後、衝動のまま彼女の首に手を当ててキスした。


「…お前、こんなんでいいの?」

「…だからいいんです。」


「…出来ればお前をケージに入れて首輪付けてリードつけてやりたい。どこにも行かせないようにして、ずっと可愛がってたい。」

「嬉しいです。。いつからそんな事思ってたんですか?」

「ずっと前から。麗沙が店にいる時から。」

「…なんで泊まりに行った時何もしなかったんですか?」

「別にそれが目的じゃなかったから。」

「…独り占めしたかったの?」

「そう…」


僕は彼女の髪を耳にかけて指先でピアスを撫でた。


「…安心してください。私はずっとずっとあなただけの物です…。」

「……」

「いいですよ?」


彼女は僕の目を見て、頭に腕を回して引き付けてキスしてきた…。


「本当に流星は可愛いんだから。」

「……」

「なに。照れてんの?」

「意地悪だな…」

「好きでしょ?こういうあたしも。」

「好き…。」

「知ってた。流星、本当はあたしに構われたくて仕方なかったんだもんね。けどカッコ悪くて言えないかああやってしてた。」


彼女はそう言いながら立ち上がって僕を見下ろした。


「いいの。強がらないで。」

彼女は僕のおでこにキスしてくれた。


「……ほんとはね、麗沙が大好きだった。代わりなんて誰もつとまらなくて、」

「当たり前でしょ?あなたの求める女はこの私だけなんだから。」

「……麗沙。」


僕は今までとは裏腹に彼女に求めていた。


「…大丈夫。ちゃんと可愛がってあげる。」

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