第6話
ある夜、眠りにつく前、有咲と話した。
「…有咲、怖いことって嫌い?」
「どんな?」
僕は有咲の頬を指の関節で撫でながら、
「痛い事かな。苦しい事でもある。」
「…いいよ?流星なら。」
「いい。やめとく。」
「…あの
やはり有咲は鋭い。
「…さぁな。」
「……やっぱりあの子がいい?」
「俺を信じて。大丈夫だから。」
「…自信ないの。。あの子に勝てる自信が無いの。。」
「…有咲は唯一無二だよ。誰でもない。代わりもいない。」
…多分僕は嘘を付いた。
独りになるのが嫌で、手放すのが嫌でまた卑怯な嘘を付いた。
───────────────真夜中。
『麗沙。少し話したい。』
僕から連絡を入れた。
『どうしたんですか?』
直ぐに既読が付いて返信が来た。
『お前いつまで起きてんだよ。子供は早く寝ろ。』
『イケない子供は嫌いですか?』
くだらない冗談に答えられるこいつも好きだったりする。
『…ごめんな起こして。』
『大丈夫です。うとうとしてたくらいなんで。』
僕はこの会話の裏側でも彼女を疑って存在するかどうかも分からない彼女の隣にいる男に嫉妬して勝手にまた劣等感を抱いていた。
僕は…たまらなくなって部屋を出て電話をかけた。
『ごめん。電話して。』
『大丈夫ですよ。』
『…あのさ、お前今男いんの?…今っていうか、うん。今。最近?今現在?』
『気になりますか?』
『……全部気になる。』
『どこからどこまで?』
『上から下まで?…』
『何考えてるんですか?』
『え?違うの?』
『相変わらずですね。』
素で答える僕に彼女が笑う。
『…麗沙。』
『なんですか?』
『…お前にあんま弱味?弱いとこ?見せたくないんだけどさ。』
『…私に会いたいですか?』
『…なんでわかんの。』
麗沙が微笑みながら聞いてきた。
僕は…素直に答えた。
『…何が不安ですか?』
『言いたくない』
『なら大人しく有咲さんと居てください』
『…お前さ。』
『何か気に食わないみたいですね』
『…お前を抱きたい。でも怖い…いつもそう。いつも怖い…でも、俺、、』
『あたしがいいんでしょ?』
『そう…。』
『わかってますよ。』
『…ごめん、遅くに。ほんとにごめん。』
『大丈夫ですよ。あなたの声を聞けたので安心して眠れそうです。』
『…会いたい。』
『何か言いました?よく聞こえなくて。』
『なんもない。』
『そうですか?…おやすみなさい。』
自分から電話を切った後、
『お前に会いたい。誰にも抱かれてない真っ白なお前に会いたい』
と送ると、
『ずっと嫉妬してたんですよね。知ってました。でも、全部過去です。今日だってお風呂に入って体も洗ってます。いつだってあなたに差し出す時は清潔で純白です。』
と返してきた。
僕はもう一度だけ電話をかけて、
彼女が出ると、
『お前が欲しい。…麗沙を抱きしめたい。お前の全部欲しい…』
と伝えた。すると、
『嬉しいです。このままあなたを思って慰めてから寝ていいですか?』
『…勿体ない。準備出来たならそのまま使わせろよ』
『……ねぇ、流星さん、最初で最後、聞かせてください。
…流星さん、あなたの心の奥底にはずっと私がいますか?』
『…麗沙。俺のものになれ。俺だけの首輪付けて、俺だけを見て俺だけに喘げ…。』
『嬉しいですね。もしそれが叶うなら私は幸せです。』
──────────────────。
「麗沙…開けろ。」
電話を切って麗沙の家に行き、チャイムを鳴らすと玄関に入れられた。
……直ぐに彼女を抱き寄せた。
「黙っとけ。なんも喋んな。今は俺だけのものにしたい。」
「ずっとあなただけのものですよ。」
僕は彼女の首を片手で締めて、
髪を耳にかけてジャラジャラ付けたピアスを露わにして、
『この淫乱。耳の穴の数だけ下でくわえたってことか?』
と耳元で囁くと、もれなく声を漏らした。
「どこのどいつだ?お前をたったこれだけで下緩ませて疼かせるように仕込んだのは…。」
「……」
そう囁くと僕の腕の中でまた体を震わせた。
「お前をこうしたやつを殺したい。俺だけのお前にしたい…」
首に置いた手を離してきつく…きつく…抱き寄せた。
「…どうしたらお前を手に入れられる?」
そう不安げに聞くと、
「いつだって私はあなたのものです。」
と迷いなく答えてきた。
僕はその場で強引に下に手を入れて躊躇なく掻き出して果てさせた。
恍惚とした顔がまた愛しくて、
激しく舌を絡ませた。。止まらなかった。
その間に何度も彼女は僕に身を任せて溶けていた。
──────────────────。
『…流星さん』
「ん?どした?」
「…足りない」
「止まんねーのか。ここ。疼いてんのか。」
彼女の下腹部を撫でると、彼女から僕を求めてきた。
「あなたが足りない…。」
─────全身くまなく彼女に愛された。
「流星さん、私はあなたのすべてが好きです。」
彼女は事後、同じ目線でそう囁いてきた。
僕は彼女を引き寄せてまた唇を重ねた。
「おさまらない?」
彼女が少し意地悪にそう聞いてきた。
「お前でいっぱい。けど、、まだ足りない」
僕は彼女を下にして首筋にキスしてまた愛した。
そういえば僕はいつもそうだった。
彼女と会うといつもそうやって彼女に触れて口付けて、求めていた。
片手で首を絞めながら愛するのが好きだった。
唯一彼女だけだった。
「麗沙……」
「はい…」
「愛してる…」
「私も愛してます。」
「ずっとお前が欲しい」
「嬉しいです…」
彼女だけ。
四六時中求めてたい。
愛してたい。伝えてたい。
「麗沙…」
「来てください…」
「俺もの……お前は俺のもの……俺のもの…。」
不思議と思いを吐き出すと彼女は体で答えてくれた。
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