○○川柳優秀賞を取って思うこと

淡雪

第1話○○川柳優秀作を取って思うこと

 今年1月下旬、ちょっとした事故に遭い、2月1日にだらだらと病院通いが始まったその翌日のことだった。


 通りすがりに職長から

「なんか、呂尚さんのが賞を取ったらしいよ」

と、言われ

「あっ、そうなんですね」

と、私は軽く返事をして見送った。


 それから、朝の体操から朝礼、ミーティングを終え、“さーて、今日も頑張んべぇ!”と自分に気合いを入れ、仕事を始めた矢先である。


「優秀賞おめでとうございます!」

「全国で2番目ですよ!」


 そんな掛け声をかけられた私は、何を言っているのかよく分からなかった。


 聞けば、社内で入選に選ばれた私の川柳を、本線に出したところ、見事優秀賞を受賞したとのことだった。


 勿論、大賞作品を含む幾つかの作品を送ったのだろうが、何故か私の川柳が向こうの審査員達の心を射止めてしまったようだ。


 しかし、あれだけ色々な方々に“賞が欲しい”と嘆いていたのに、いざ取ってみると冷めた自分がいる。


 今となっては、あの時の気持ちをちゃんと説明出来るのだろうが、当時は本当に“えっと???”という気持ちで一杯だったのだ。


 それから数人に称賛され、4月に賞状等を貰い、今に至るわけだが、実は未だに実感が湧かないのである。


 嬉しいという気持ちは嘘ではないし、よくやったなという気持ちもある。


 でも、突然降って沸いた話だったから、そこら辺がきっと追いついていないのだろう。


 そして、今年も○○川柳の社内応募が始まった。

 

 今回もまずは出すことから始めた。


 結果は分からないが、私自体は楽しんで書けたので、その行動に対して優秀賞を送ろうと思う。





 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

○○川柳優秀賞を取って思うこと 淡雪 @AwaYuKI193RY

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る