第44話

「気が合うね。俺も君を許さないよ。」




ニコリと笑いそう言うと、それが気に入らなかったのか怒鳴りながら胸ぐらを掴んできた。




臭い息を俺にかけるな。



それにね、必死でお前を殴りたいのを抑えてるのに我慢できなくなるよ。



ポケットに突っ込んだ右手に力が入る。



「ぶっ殺す。」



殴り掛かろうとしてくる門倉一都。だけど、その拳は俺には届かなかった。




後ろにいた男が門倉一都を止める



 へぇ、こいつが参謀か。蛇みたいな目で俺見てくる。



「一都、ここでは我慢しろ。

夜、ぶっ殺せばいいだろうがよぉ。」




「ちっ、分かったよ。てめぇ、命拾いしたな。

覚悟しとけや!」



乱暴に胸ぐらを離され体が傾く。




はっ、笑わせてくれるよ。




左手で門倉の体を掴み引き寄せる。




『言ったよね?2度目はないって。

覚悟しておくのはお前だよ。』




誰にも聞こえないように冷たくそう言い放ち、門倉の体から手を離す。




一瞬黙り込むも、更に睨んできたけど周りの野次に掻き消される。逃げるように車に乗り込み去っていった。




イラつくなぁ、握った拳はからは血が滲む。




「飛鳥、大丈夫か?」




そんな俺を心配そうに見つめる幹部たち。

いつの間に来てたんだ。




「・・・ああ、大丈夫。」




心配かけないように笑いかける。




騒つく校庭に集まる視線は興味が無くなったのか、教師が座らせたのかいつの間にか少なくなっていた。

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