第43話

携帯を切った途端に着信音が鳴る。



來智や蓮からの不在着信もあった。



ふっ、教室に居ないから探されてるのか。



玄関に近づくにつれて怒声が聞こえてくる。




輝神のメンバーが門倉一都たちと睨み合っている。




そこには來智と槐の姿もあった。




『棗飛鳥を出せ!』




そう叫び続ける門倉一都。余程俺のことが好きなのか?




ちょっとふざけた考えが浮かぶ。




右手をポケットに突っ込み外に出る




冷たい風がすうっと肌を襲う。




あーあ、たくさんの人だこと。



外の風景に呆れ返ってしまう。一般人相手にこの人数か。



それに、目が逝ってる奴らがチラホラといる。




別に声をかけた訳じゃないけど、一斉に視線が集まった。




そんな中、歩みを止めることなく前へ進む。

自然と道が開く。




來智が焦った顔をして近付いてくるのが目の端に見えた。




「なんか用かな?門倉一都くん。」



そんな來智を無視して俺を睨み続ける門倉一都に話しかける。




「やっときたか。逃げたかと思ったわ。

てめぇの事は許さねえよ。」




笑わせるよ。許さないのは俺の方だよ。

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