第33話

「みんなの言う通り、離れたって、会えなくたって過ごした時間は消えない。例え、誰かが離れたいって言っても離さない。なんだって、お前たちは俺のknightだからね。」



自分勝手で頼りない俺について来てくれた。



みんなの存在があるからこそ、頑張れたし帰ってこれた。




「泣くなよ、昴。

お別れじゃないんだ、今からが俺たちの始まりだ。

会いたかったらいつだって会える。

それに、会えなくたって俺らはお前の仲間だ。」




必死に我慢していた涙が瞳から零れ落ちる



ポタポタとアスファルトに染みを作っては広がって いく



「だって、・・・くそっ、なんで止まんないんだ。」



次々と溢れ出る涙を止めようと目をこする




「・・・じゃあさ、俺らが離れられないように証入れようぜ!」



空気を読んで元気よく声を上げる疾風



誰も返事はせず、視線だけ向ける




「ほら、お互いの人生を背負い、切れないように墨入れようぜ!」




・・・




言葉が出ない



墨って、俺が入れるのはいいが表の人間として生きるお前らは足枷にしかならない。

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