第31話

「昴、悲しいこと言うなよ。」



力なく言葉を返す疾風




「どうにもならねぇんじゃねえの?」



ヘラヘラ笑いながらじゃなくて真剣な顔をする夏樹




「そりゃ、お前らと会える時間や優先度は変わってくるかもしれない。新しい環境になって、違う人といることが当たり前になるかもしれない。」



考えていたことと同じような事を口にする



「でも、俺らの根っこは変わんねえよ。お前らと過ごした時間は無くなる訳じゃねえし、会えなくなるわけでもない。例え、どんな事があっても俺らは繋がってる。そんな簡単に切れる関係じゃねえだろ、俺らは。」



なあ、そうだろ?と昴の顔を覗き込む。



真剣な夏樹なんて本当に珍しい。



でもその通りだよ




「そうだな、バカ昴!お前のせいで辛気臭いなったじゃねえか。」




友達なんて軽い関係じゃない



家族って訳じゃないけど、家族同等、いやそれ以上に大切な仲間。




こうやって、一緒に過ごせるだけで幸せなんだ




「だって、ふと思ったんだよ。

この時間が永遠ならいいなって。」




そんな可愛い年下の発言に頰が緩む

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