第29話

それに吊られたかのように次々と頭を下げるメンバーたち。



やっぱ、いい奴らだな



「へー、いいじゃねえの。」



驚いた顔でそんな様子を眺める夏樹



「人望あるんだな。」



その通りだよ



隣の來智を見ると安心した表情を浮かべている



「ありがとう、じゃ早速始めようか。

グループ分けしてるからその通りに別れてくれ。」




似た傾向にある人たちを固めグループを作り稽古をつける




初めはぎこちなさが目立っていたが、みんなの人柄が徐々に表情が和らぎ、笑顔も見られた




「ありがとうございました!!」




稽古が終わる頃にはお礼の言葉まで言ってくれた。



だけど、まだ、信用されているとは言えない




すっかり日も暮れ、みんなぐったりとしている




「これからも暫く来させて貰う。

自分のことは自分で守れるように。

大切なものを守りたいなら強くならないとね。」




偉そうに。そう思われるかもしれないが俺はそう思う。

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