第28話

「・・・」




困った顔で黙り続けるメンバー



総長が頭を下げ、頼んでいる



だけど、赤の他人の上に素性も分からない俺を信じることもできない




迷ってるんだろう




「別に俺を信じなくてもいい、認めなくてもいい。

だけど、君達を必死に守ろうとする來智は信じて、俺に付いてきて欲しい。」




來智が守ろうとする仲間だ




俺をどう思おうと、俺は君達を守るよ




まだ、険しい表情を浮かべているが來智の言葉に心動かされたのか頷くメンバーもいた




「俺は棗飛鳥。高校3年生。

詳しくは話せないが喧嘩に関してはここにいる誰よりも強いし、負ける気はしない。

君達が自分を守れるように稽古をつけさせて欲しい。」




名前も知らない男を信用しろなんて言えない




だけど、詳しくは話すわけにもいかない




「飛鳥は俺の、尊敬する男だ。

それだけじゃ、ダメかな?

責任は俺がとる、だから頼むよ。」




もう一度深く頭を下げる來智




シーンと静まり返る倉庫内




「・・・よろしくお願いします!」



誰かがそう叫ぶ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る