第8話

久雄さんに聞くしかないのか



「作さん、ありがとうございます。

なんか胸がスカッとしました。

俺、向き合って見ます。時間は掛かるかもしれないですけど、蓮鳳のトップに相応しい男になってみせます。」



「おおう、期待しとるぞ。

坊、何かあったらこの老いぼれに相談しても良いぞ。」



老いぼれって言う程、老いぼれてないよ



現役で働いているし、見た目は50代くらにみえるから



「感謝します。」



縁側から立ち上がり頭を下げる



若頭が簡単に頭を下げるなと言われるかもしれないがこの人には下げる価値がある



ポンポンと頭に触れた手は暖かい



「頑張れよ、若。

ほら、呼ばれてるんじゃろ?」



さっきから、携帯が鳴り響いている



そろそろ出ないとヤバイな



「では、失礼します。」



耳に携帯を当て、作さんの視線を背中に感じながら中庭を後にする。

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