第7話

「驚いておるの。久雄は随分前からお前を若頭にと考えていたそうだ。だからこそ、厳しく当たったんだろう。

坊にも心当たりがあるだろう?」



後継ぎでも何でもなかった俺に対し、來空より厳しく接してきた



それは、周りが止めに入るくらい見ていられない事もあった



ただ、俺が嫌いなんだと思ってた



あの人は俺に優しい言葉なんて掛けた事がなかった



だけど、他の組員みたいに俺を責める言葉も無かった



ただ、強くなれと泣くなと言われた



「あいつを含め儂ら極道もんは口が上手くないからな。坊を含め自分の気持ち上手く伝えれず損してる奴ばっかじゃ。久雄も坊に嫌われてんじゃないかと近寄れないそうじゃ。」



嫌いっていうより、恐怖心が強い



「なんで、兄ではなく俺なんですか?」



來空に勝るところなんて見当たらない



しかも、そんな子供らの頃なんて更にだ



「さあな、それは久雄本人から聞きな。

なにせ、坊は坊が思っている以上に蓮鳳の期待を背負っておる。みんなが認めておるぞ。」



知らないのか、答える気が無いのか理由について話そうとしない



気になるが心当たりなんてない

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