第5話
「こらっ!何をしておる。」
そんな声にビクッと体が反応する
声のした方を見ると呆れた表情を浮かべる古株の組員だった
「坊は変わらんのぉ。昔もこうやって良く叱りつけたな。」
しみじみと感慨深そうに呟く
「作さん、見られちゃいましたね。」
少し動揺する俺をふはっはっはっ、と笑い飛ばす
父さんより年上の昔からいる組員。作次郎さん。
爺さんの代から蓮鳳に仕えている
「坊はこの家が嫌いか?暁蘭が気にしておったぞ。」
ふっ、バレてんのか
「そうですね、そんなに良い思い出はないですから。
ただ、家が嫌いという訳ではないです。」
なんだろうか、この言葉にできない胸のつっかえは
「そうか、儂らは坊に辛い思いをさせたかのぉ。
だがな、少なくともここに来る奴らは坊のこと認めておるぞ。昔のこともあってなんて声を掛けたらいいか分からないと言っておった。」
自覚はあるのか
俺がどんな思いをしていたのか
今となっては過ぎた事だけどね
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます