第4話

でも、まあ、父さんが言うなら仕事以外でも時々顔を出そうかなと思う。



ゆっくり飲み明かし、話すのも良いのかもしれない



本音を言うと、子供の頃のことを思い出すからあんまり来たくないんだ



このだだっ広い家に1人でいる寂しさ



家なのに安らげるのは自分の部屋だけ



廊下を出ると昼夜問わず組の人間が出入りする為気を張らなくてはいけない。



話す相手もなく、ただ1人で過ごす日々



暁兄が出て行ってからは特に嫌だった



ぶらぶらと歩いていると中庭に着いた



そこの縁側に腰掛け寝そべる



そういえば、ここもよく来ていた



夜中寝れないとここで夜を明かすこともあった



誰かな趣味なのか綺麗に切り揃えられた盆栽



俺たちが生まれた時に1本ずつ植えられた木



灯篭や石の置物



そして真ん中には橋の掛かった池



そこには、鯉が悠々と泳いでいる



何故が落ち着くんだよね



自分の家なのに入ったことのない部屋もある



それに、空き部屋だって腐る程ある



だからなのか、自分家っていうより誰かの家に住まわせてもらっている、



そんな表現の方がしっくりとくる。



そんかことを思いながら池に向かってポチャンと石を投げ入れる



するとエサと勘違いした鯉が群がって来る



昔これをしてよく怒られた



池に石を投げるなって

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