第5話

「島崎さんさ、疾風のこと狙ってるでしょ?」



ていうか、俺たちの事狙ってるでしょ?



「別に疾風のことを好きなのは良いよ。

寧ろ、ありがとうだよ。

でもね、毎日話しかけられて、倉庫連れてって

とか言われるの疾風、嫌なんだって。

それに、疾風だけじゃなくて

夏樹とか俺にも言ってくるだろ?」



涙目になって来ている


酷いこと言ってるのは分かってるけど


こっちが困るんだ



「正直、迷惑なんだよね。

初めに誘ったのは、疾風だし期待を持たせるような事して悪かった。

でもね、俺らも困ってるんだよね。

俺たちさ、族ではないけどやっぱりあの倉庫に居るってだけで、他の族に狙われたりすることもあって。

それで、一緒にいたら島崎さんを危険に巻き込むかもしれないし、守る気もない。

だから、ただの同級生として疾風や俺たちと接して欲しい。

勝手な事言ってるのは、分かってる。

だけど、ごめんね。」



赤の他人を守るほど俺たちは優しくない

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