(09)分岐の誤り
──ダァアァアァンッ!
──バァアアアンッ!
不意に、前方から大きな爆発音のようなものが聴こえてきたので、シソクは思わず飛び上がりそうになってしまう。
『ぎゃぁあああ!』
それだけではなく──先を行ったはずのおじいさんの悲鳴が上がった。
ナジーが反射的に走り出したが、シソクは足が
夜の闇が深く、その先は見えない。
先を行くナジーの背中が、徐々に暗闇に飲まれていく。
「うぅっ……!」
この時の正解を考えるとすれば──それは、後ろに下がって逃げること。行く先に待ち構えているのは危険なのだ。
でも──シソクには、そんなことは出来なかった。
危険に向かって走っていくナジーを見捨てて、後戻りなど出来るはずがない。
シソクは自らを奮い立たせ、ナジーを追って走り出したのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます