ログ28 Merry Christmas Mr. Tatsuhiko
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z、ザ、ガ、g、ガ、ガp、ピー
ヴォン
『・・・・ネn12月25日 Merry Christmas!!』
~♪~♪♪~♪~♪~♪♪♪~♪♪~♪
ボディに内蔵されたアラームからクリスマスを告げる音声と遥か昔に流行ったとされる『戦場のメリークリスマス』という音楽が流れる。
『Deactivate sleep mode』
スリープモードを解除する音声とともにボロと言っても過言ではない見た目になってしまった、自立歩行型と思われる人型ロボットがギシギシと音をたてながら立ち上がった。
ロボットはスリープモードに入る前の世界と変わりがないか世界を見回した。
空は分厚いガスで覆われており、太陽の光はほとんど届いていない。
大地は枯れ果て罅割れている。
植物と言われたものは存在しない。
川や海の水は干上がっている。
定期的に狂ったように有毒物質を含む雨が降る。
それによって出来た水溜まりくらいしか水はない。
過ぎ去りし日を嘆くかの如く風は哭く。
『AI program S.t.M.s.R launch』
AIプログラムS.t.M.s.Rが起動し、今ロボットが見た映像を処理する。
「変更ナシ。非常事態ケイゾク中。」
ギシギシと音を立てながらロボットは動き始めた。
「半径1kmをスキャンシマス。」
ピ!ピヨ~ン!!!!
『スキャン完了』
「半径1km圏内にニンゲンや動物などの生命反応ナシ。但し、1体の敵対生命体反応アリ!!防衛モードにキリカワリマス!!」
ウィンウィン!!ガシャガシャ!!ゴゴン!!!と音を鳴らし、人型ロボットの両腕が砲門となる。
「距離682m。圧縮砲!Fire!!!!」
ドドドドドン!!と音を鳴らし両腕から複数の弾丸が撃ち込まれる。
「8発中2発命中。対象が接近中!!次弾チャージシマス。」
『チャージ完了マデ6秒。対象到達まで4秒。撃破可能性3%。Mother Brainガ強奪サレル確率82%。本機ガ破壊サレル確率99%。』
「ツイにこの時が来テシマッタカ。マザー約束が守れなさソウデス。デスガ、コノ命にカエテデモ《《Mother Brain》》は守ル!!」
ロボットは全身の機能を一時的に停止し、全てのエネルギーをチャージに充てた。
『対象到達マデ2秒。チャージ完了まで2.5秒。』
「ダメダ。ヤハリ間に合わなカッタ。」
ロボットのその言葉の直後、目の前にまで迫った、手負いの獣の様なナニカが、ロボットを八つ裂きにせんと飛びかかった!!
その時であった。ロボットに搭載されている超高性能AI S.t.M.s.Rが次元の揺らぎを感知した。
『対象到達マデ0.56秒』
「次元ガ裂ケル!!」
ロボットの命を絶つ一撃が今まさにロボットに触れようかというその時。
獣の様なナニカの頭上の次元が裂け、裂け目から何かが落ちた。
裂け目から落ちた何かが、ロボットを襲う獣の様なナニカの頸椎にヒットした。
突然の衝撃により獣の様なナニカは地面に強制的に倒された。
次元の裂け目から落ちてきたナニカは「痛ぇ!!」っという声を発しながら数m先まで転がっていった。
獣の様なナニカは『キシャーー!!』という叫び声をあげながら、すぐに体勢を立て直し、ロボットへ飛びかかろうとしたが、飛びかかることは永遠にできなかった。
なぜなら、その間にロボットのチャージが完了してたからだ。
ロボットは獣の様なナニカが顔をあげた瞬間に、その眼前に二対の砲門を構えていた。
「マザーのお導きでしョウカ?助かった!圧縮砲!Fire!!!」
ドォン!!という大質量の音とともに発射された圧縮砲弾が獣の様なナニカの頭と左上半身を跡形もなく吹き飛ばした。
どさりっと獣の様なナニカの亡骸が、次元の切れ目から降って湧いたナニカの横に落ちた。
「いてててて!どこだココ?うわっ!なんだコイツ!!」と言いながら、自身の横に飛んできた亡骸にビックリしながら、次元の狭間から落ちてきたニンゲンの男が立ち上がった。
ロボットはその男の顔を見て、流れるはずのない涙を流した。
「マザー。アナタの言う通りデシタ。クリスマスはとてもHappyなサプライズをオコス。」
「ん?うわっ!人間!?ぢゃないっ!こ、こっこれ、ロ、ロ、ロボット!!しゃべった!!」
驚く男に対し笑えるはずのないロボットが、微笑みながら言った。
「Merry Christmas Mr. Tatsuhiko」
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