ログ19 救助
俺は、もう1ミリも動けないと倒れ込んだ。
首をグルりと回し周りを見渡すと覚、透、文、村崎、梨内、五味市議会議員、石丸、他にも何人か生きてるようで、何人かは、よろよろと立ち上がり、他の生存者のところへ行っていた。
俺も含めてだけど全員がボロ雑巾みたいになってる・・・
広野自治会長は本当に残念だった・・・
だけど、、、
とりあえず良かった。
と思った矢先、再び放送が鳴り響いた!
「こちらは『血塗られた盾』だ。諸君よくやった。まさか、あの暴豚ピグザムを葬る者が現れるなど微塵も想像しなかった。見事だった!!我々は約束通り去ろう。英雄の片鱗を見た。種は蒔かれた!!今宵は良い日だ。また会おう!」
放送が終わるやいなや複数の人が雪崩れ込んできた。
その中から、代表者らしきハーフなのか金髪碧眼の謎の美女が出てきて言った。
「私たちは医者です。貴方たちを保護および治療いたします。各自医師の指示にしたがってください。それと、部屋などに隠れている皆さまも安全を確認次第すみやかに全員保護いたします!!」
皆は安堵し、それぞれが担架に乗せられ緊急で解放された2Fの部屋それぞれで治療を受けはじめた。
覚、透、文、村崎、五味市議会議員、石丸と順々にストレッチャーに乗せられ連れていかれた。
残ったのは俺と梨内だけだった。
俺たちはいつだろう?と考えていると、隣にいた梨内が話し始めた。
「おい龍彦。あれはなんだったんだ?あんな化け物みたこともねぇ。だけどよ、俺はなんか自分の中にある限界の壁を越えた気がした。あの突きはそれほどまでに完璧だった。あの時の集中・呼吸・体裁きが常時引き出せれば俺はもっと上にいけるかもしれねぇ!何より剣道の大会にあんな化け物も命のやり取りもねぇ!!」
確かにそうだな、と思い俺が同意していると、梨内の番が来たようで救護の方たちがやって来た。
あれ?と思ったのは俺だけではないようで、梨内も傷だらけながらも目が爛々としてる。
なぜなら医者とは言えないようなキワドイ恰好をした絶世の美女が梨内を迎えに来たからだ。
美女はテキパキと連れてきた救護班に指示を出し梨内をストレッチャーに乗せた。
ストレッチャーが動き出す直前に美女は動けない梨内の胸元から下半身を優しく撫でまわしながら耳元にその艶かしい唇を近づけこう言った。
「あっちで楽しいことシましょうね♪英雄さん♪」
「えっ!?」と梨内が言うが、美女はウインクをするだけで何も言わずにストレッチャーを押して去っていった。
梨内が運ばれた少し後、俺の方へ誰かが歩いてきた。
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