ログ18 決着
梨内雄馬もやられてしまい、今、この場に立っている者は1人もいない。
俺たち人間は総て蹴散らされ息絶えたか俺と同じく重傷だ。
だが、暴豚ピグザムも広野自治会長にやられた後ろ足が折れ曲がっており、かろうじて前足だけで、踏ん張っている状態だが、その前足もボロボロだ。
なにより、先ほどの梨内の一撃が相当深いダメージを与えている。
それを物語る様に暴豚ピグザムは鉄パイプが突き刺さっている肛門からおびただしい量の血を流し、内臓もやられたのか、それと同時に口元からも血を垂れ流している状態である。
しかし、いくらダメージを与えたとはいえ、状況は絶望的でしかなかった。
ダメージを与えた梨内も暴豚ピグザムの怒りの後ろ蹴りをモロに受けてしまい、今もピクリともしない。
もう間もなく俺たちは皆殺しされるだろう。
だが、俺は死ぬわけにはいかない!
(あっちの世界に愛妻が愛する子供たちがいるんだ!!!)だから死ぬわけにはいかないんだ!!
「俺は家族のところに戻るんだっ!!」
俺はありったけの力を振り絞り立ち上がり先ほど使ったスコップを拾い上げ暴豚ピグザムへ叩きつけた!
叩きつけたスコップが暴豚ピグザムの左目に突き刺さり根本から折れた。
暴豚ピグザムは今の一撃で先ほど五味さんが潰した右目と同じく潰れ完全に視界が潰れた。
痛み喘ぎ、のた打ち回るが足も潰れて内臓にもダメージを負っている状態なので、先ほどまでの様な動きではない。
「今しかない!!」と思い、柄だけになったスコップを脇にドッシリと構え俺は突貫した!!
突貫した俺は暴豚ピグザムの鼻の穴に突き刺した!!
スコップの柄だけでなく、自分の腕が入ってしまうで突き刺した!!
絶叫を上げながら暴れる暴豚ピグザムだが、俺は離すまいと必死にスコップの柄を握りしめ突き刺し続けた!!
そして、最後にミリミリブチブチッと硬い肉を突き破る感触があった。
その感触を得た直後、暴豚ピグザムがズシンッと音を立てながら倒れた。
最期に口から大量に吐血をし、暴豚ピグザムが絶命した。
力を込め過ぎた俺は手の離し方を忘れてしまった程だったが、暴豚ピグザムが絶命したのを確認するやいなや全身の力が抜けスコップの柄から手が離れた。
俺は、もう1ミリも動けないと倒れ込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます