ログ7 咆哮~ハウル~

勝利した途端ヘナヘナと力が抜けた。


緊張の糸が解け足腰に力が入らない。

それどころが、全身が激痛だ。


立ち上がろうとしたところ、大音声がマンション内のスピーカーから流れた!


キィーーン!!!と館内放送が音を鳴らす。


「こちらは『血塗られた盾』だ。どうやら、住民の誰かが小豚を狩ったようだな。褒めてやろう。だが、余興は終わりだ。小豚が死んだことで他の豚は殺気立ち今まで以上にお前らを喰い殺しにくる。それが嫌なら、Fが小豚を狩ったように、逆に貴様らが全てを狩って生き残ってみせろ!残り5頭だ。喰われる前に狩れるかな?貴様らが狩れたら我々はこの場所を解放しよう。約束をする。我々は『英雄の種』を所望する。」


ブツン。という音とともに館内放送が切れた。


そして、豚を狩れば解放されると聞いた住民たちの士気が上がり歓声があがった。


しかし、直後に『ゴシャン!!』という音とともにマンション全体が揺れたんじゃないかと錯覚するほどの揺れ起こり、総ての希望を絶望に塗り替える咆哮ハウルが放たれた。


『ゴブァァァァァ!!!!!!!!!!』


すべてを震え上がらせる咆哮ハウルは、活気づいた住民たちの士気を一瞬で叩き折り、恐慌に陥らせた。


俺は本能で声の主を悟ってしまった。


あの大型の豚だ!!!

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